上写真=W杯への熱い思いを口にした原口元気(写真◎Getty Images)
必ず自分自身を表現できるチャンスが来る
最終予選はスタートのオマーン戦で先発を果たしたものの、前半で交代。以降の7試合に出場したが、すべてが途中出場だった。2次予選まではレギュラーとしてプレーしてきた原口は、最終予選で代表における立場が変わった選手の一人となった。
最終予選前節のオーストラリア戦では84分に登場し、三笘薫の先制点へつながる一連の攻撃の起点になった。右サイドで高い位置を取った山根視来にボールを送って、土壇場の勝ち越しゴールに絡んでいる。「失点だけはしたくなかったのでバランスを取ることは意識しました。リスクをとりすぎず、あわよくば勝ち点3が取る」。試合状況と自分の役割を考えて、正解を導き出した。
W杯の出場が決定したことについて安堵の表情を見せながらも、一方でここからは本大会でメンバー入りするための戦いが始まると気を引き締める。原口は「ポジションを奪うだけ。そこにトライしていくだけです」と話し、意欲を示した。実際、所属するウニオン・ベルリンではインサイドでプレーしており、現在の代表でチャンスを得れば、また違った特長をチームにもたらすことができるとの手応えもある。ベトナム戦を前にした練習では4ー3ー3の右インサイドハーフを務めてアピール。
「所属クラブでやっているプレーを代表でも同じようにやればチャンスがある。選手も環境も違いますが、そこをベースに良さを出せば必ずチャンスがあると思っています」
前回のロシアW杯で日本はラウンド16でベルギーと対戦。一時は2点をリードしながら逆転負けを喫した。その試合で先制ゴールを決めたのが原口だった。
「やっとカタールが見られたので。これから世界を相手にどう勝つか。4年前に負けたところをどう越えていくか。これから日本全体、そして僕自身も大きな課題として、そこに向かっていきたい。それだけを考えて代表活動をやってきました。日本代表がもう一つ上のステージに行くために、そこを突破することが僕らの世代の大きな課題だと思っています」
ロストフの地で胸に刻んだ悔しさは忘れたことはないという。再びあの舞台に上がれるかもしれない。あとは自分自身でそのチャンスをつかみ取るだけだ。
「このシチュエーションは、すごく好き。反骨心が出てくるシチュエーションがすごく得意だし、好きなので、今の状況は個人的な『いいな』と感じています。チャンスがくれば個人的にすごく良いパフォーマンスができるんじゃないかと感じていますし、ワールドカップまであと数試合しかテストマッチはできないですけど、必ず自分自身を表現できるチャンスが来ると思っています。そのタイミングが勝負だと思っているので、その数試合に僕自身のすべてを懸けて。いま、ワールドカップに対してめちゃくちゃ燃えているので、チャンスをモノにできるように、本番で出られるように頑張ります」
あの日の続きを見るために、ベトナム戦から原口はメンバー入り、そして定位置獲りを目指していく。