日本代表の吉田麻也が28日、アジア最終予選の最終節となるベトナム戦を前にオンラインで取材に応じた。勝利を収めてグループ首位通過を果たし、アジアでの日本の力を証明するとともに、本大会に向けて重要な一歩になるとキャプテンは語った。

上写真=吉田麻也は自身3度目となるW杯出場に意欲を示した(写真◎Getty Images)

各々がレベルアップしないといけないのは間違いない

 W杯出場は、決まった。ただ、日本の挑戦に終わりはない。試合直後から吉田が繰り返し発言しているように、ここからは本大会でメンバー入りするための戦いがある。そしてもう一つ、チームが掲げる目標である「ベスト8以上」の成績を収めるために、レベルアップというチャレンジもある。

 日本代表の現状について吉田はどう見ているのか。前回大会のチームに比べて現在地はどうなのかを聞かれて答えた。

「一概に比べられないですが、確実に言えるのは、もっとチームとして構築しなければいけないということ。各々がレベルアップしなければいけないのは間違いない。その中で大事なのは世界との戦い方。(アジアとは)多少は変わってくると思います。だからこの残りの限られた中で、この間も言いましたが、もう調節は始まっているし、良いマッチメーキングでより強いチームと戦って、自分たちの良いところを伸ばし、課題を浮き彫りにして改善することが大切」

 最終予選の最後の1試合となる29日のベトナム戦。そして6月に数試合予定されているテストマッチ。9月末の代表ウィークで実現を模索する海外遠征。7月にはE-1選手権もあるが、同大会は国内組中心で臨むことが予想されており、11月21日に開幕するカタールW杯まで、海外組も含めた代表で活動できる機会はそれほど多くない。

 すなわち、1試合1試合が選手にとっては貴重なアピールの場であり、チームとして前進するための重要な機会になる。1試合も無駄にできない。したがって明日のベトナム戦も、最終予選の消化試合ではない。本大会を見据えた重要な一戦だ。

「本大会になれば確実にもっと固いサッカーをしなければいけなくなる。ペース配分をもっと考えなければいけなくなる」とアジア仕様から世界仕様に変えることも必要だと吉田は指摘する。そして「11月のカタールなのでそこまで暑さはないと思いますが、短期決戦ですし、緊張やプレッシャーから来る疲労の蓄積は必ずあると思う。毎回プレスにいくわけにはかないし、ベタ引きしていてもボールを奪えないだろうし、どこに自分たちの重心を定めるのかが重要になると思います」と、状況に応じたプレーが求められると強調している。

 14年、18年とW杯を経験し、カタール大会でメンバー入りを果たせば、自身3度目のW杯出場となる。リードを奪いながら逆転負けを喫した前回大会のベスト16、ベルギー戦以降、その先に進むことをイメージして吉田は成長を目指してきた。W杯出場を決めた今、改めてその思いを確認しているに違いない。

「(前回大会のチームに比べ)よりもテクニカルだと思います。前にテクニカルな選手が多い。あとは後ろの選手の経験値が高い。全体に上がっていますが、とくに後ろの選手は高いと思います。サブの選手が入ってもレベル的にガクッと落ちたりしないことも一つ大きいかなと思います」

 層の拡充は、今予選の一つの収穫と言える。主軸が不在となる中で代わって出場した選手が持ち味を発揮。吉田が言う通り、「落ちない」チームになりつつある。とはいえ、世界と渡り合うには、まだまだ足りないのも事実。いっそうの底上げ、チーム力アップが必要だ。日本が目指しているのは、過去最高のベスト8以上の成績なのだ。

 成長曲線が急カーブを描くように、個人としてもチームとしても取り組むことが求められる。そのスタートがベトナム戦。吉田キャプテンは満員のサポーターとともに、ベスト8を目指す道の最初の一歩を踏み出したいと語った。