カタール・ワールドカップの出場権を獲得した日本は、最終予選の最終戦、ベトナム戦を3月29日に控える。森保一監督がメンバーの入れ替えを明言する中、ここ3試合で出場がなかった柴崎岳もそのときを待っている。「チームがいい方向に進んでいく」ために、変わらずに向き合っていく。

上写真=柴崎岳は昨年11月以来の日本代表での試合出場を狙う(写真◎スクリーンショット)

「オフ・ザ・ピッチのチームマネジメントが大事」

 ロシア・ワールドカップに出場した柴崎岳が、その経験を持ってしてカタール・ワールドカップの予選突破の一員になった。「これまでつないできた歴史を、さらにつなぐことができた安心感」を覚えたという。「オーストラリア戦には出られませんでしたけど、ベンチから見ていて十分に勝利に値するパフォーマンスだったのではないか」と、仲間たちを頼もしく見ていた。

 この最終予選では6試合に出場したが、ここ3試合は出場なし。だが、試合に出るか出ないかに関わらず、日本代表の一員としての向き合い方に変わりはない。

「自分のプレータイムが少なかろうと、チームがいい方向に進んでいくことを念頭に置いて代表期間中は過ごしていました」

 すでにワールドカップの出場権を手にしたため、森保一監督も3月29日のワールドカップ最終予選の最終戦、ベトナム戦でメンバーを大幅に変えることを明かしている。総合力を示すためという意図があるという。ワールドカップの経験値を持つ選手が「本番」で果たす役割は大きいから、ベトナム戦、そしてそれ以降の競争に入っていく準備はできている。

「いろいろな想定をしたメンバーになると思いますけど、そこに入っていけるように努力していきたいと思っています。個人の思いはありますけど、一番は日本代表というものが成果を残し続けることが一番の幸せで、それが目指すべき姿なので、そのために貢献できるように一個人として頑張っていきたい」

 ワールドカップというものをすでに知っていて、しかもベルギーに逆転負けを喫してベスト8進出を寸前で逃した「ロストフの悲劇」を経験した一人としては、その厳しさ、難しさ、悔しさをこのチームに伝える意義がある。

「アジア予選とは打って変わって、世界の強豪しか集まらない特殊な大会です。前大会もグループステージは相当厳しくて、突破できなくてもおかしくないグループに入っていましたが、少ないチャンスや可能性をものにしたので、ベスト16で試合ができました」

 チームは日々、変化し、うごめいていく。だから、細部がチーム力に大きな影響を与えることを知っている。特に、ワールドカップでは。

「厳しい戦いがそこにあるんだということを自覚するとともに、もちろんオン・ザ・ピッチも大事ですが、オフ・ザ・ピッチのチームマネジメントが大事です。日々の空気感が試合にどう出るか。ピッチの上だけではなくピッチ外でも、自分たちの戦いとして代表期間を過ごしていければと思っています」