日本代表FW前田大然が、これまでと変わらぬ得点への強いこだわりを見せた。カタール・ワールドカップ(W杯)最終予選の中国戦で交代出場も無得点。続くサウジアラビア戦でのA代表初得点と、勝利への貢献を誓っている。

上写真=中国戦で2点目を決めた伊東(右)を祝福する前田。今度は自ら決めてチームを勝利に導けるか(写真◎JMPA)

「次に、という思いで切り替えている」

 1月27日の中国戦は58分からFW大迫勇也との交代で登場し、最終予選初出場。「A代表自体、(2019年の)コパ・アメリカ以来だったので正直、緊張はしましたけど、チームが勝ったので、まずはよかった」と振り返った。

 国際Aマッチ3試合目の出場から間もなく、MF遠藤航がボールを持った瞬間にエリア内にダッシュして、ロングパスを呼び込んだ。MF伊東純也への落としは相手にカットされたが、「自分が点を取れればベストでしたけど、あれをやることによって間が空いてくる。(最終ラインの背後に)スペースがなくても、ああいう走りをしていくのは有効だと思っていた」というプレーで持ち味を発揮した。

 このプレーで得たスローインから61分、DF中山雄太のセンタリングを伊東がヘッドで合わせて2点目。このとき前田はニアサイドに走り込んで相手DFの注意を引きつけており、「自分の特徴である、中に入っていたからこそ、純也くんが点を取れた。ああいうのも自分の中では、すごく大事にしている」と収穫を口にしている。ただ自身は無得点に終わっただけに「あとはゴール。ゴールが取れなかったので、次に、という思いで切り替えてやっている」と心境を語った。

 88分には左サイドからMF久保建英がファーサイドに送った鋭いクロスに反応し、触れば得点の可能性があったが、わずかに届かなかった。「タケも見てくれていたので、試合後に『もっとちょうだい』と言った」とやり取りを明かし、「守備でしっかり前線からスイッチを入れること、攻撃では背後を取ることをやるように(森保一監督から)言われている。次もしっかりやって、その中で点が取れれば」と意気込む。

 グループ2位の日本は2月1日に首位のサウジアラビアと対戦し、勝てば勝ち点差が1に縮まるが、敗れると目の前でW杯出場を決められ、引き分けでも勝ち点1差で3位のオーストラリアに抜かれる可能性がある。「これまで戦ってきたチームよりも強度が高いと思う。まずそこで負けないことが大事になる」とポイントを指摘した前田は「でも、日本らしいサッカーをすれば勝てると思う。みんなでしっかり戦って勝ちたい。中国よりは背後が空いていると思うので、どんどん狙っていけたら」と強い意気込みを見せた。

 自分に課すのは、何よりもゴールだ。東京五輪を戦ったU-24日本代表の活動中も得点への強いこだわりを繰り返し語っていたが、この日も自身の役割について「何回も言うようですが、ゴール。取らなければいけない。取ってチームに貢献したい」とコメント。ネットを揺らして日本の勝利に貢献したい思いを鮮明にしていた。