日本代表DF長友佑都が、1月30日にオンラインで報道陣の質問に答えた。カタール・ワールドカップ(W杯)最終予選でのパフォーマンスが議論の的となっていることに対し、現在の心境や自身の見解を語っている。

上写真=4大会連続のW杯出場を目指す長友。現在の状況についてコメントした(写真◎小山真司)

「勝ちたい、ワールドカップに行きたい」

「ありがたい限りです。皆さんからの厳しいご意見も、ご批判も、ありがたいなと思っています。厳しい批判や意見の中に、自分を成長させるチャンスが眠っていると感じていて、俯瞰(ふかん)して自分を見なくても、皆さんにいろいろな角度からの視点で見ていただけるので、まだまだ成長のチャンスがあると思っています」

 自身の現状について、笑顔も交えながらコメントした。長友は今回の最終予選で全試合に先発しているものの、中国との第2戦以降はすべて途中交代。1月27日の中国戦では、長友との交代で左SBに入ったDF中山雄太が2点目をアシストしており、パフォーマンスの低下を指摘する声や、先発交代を求める声が各所から出るなど、議論の的となっている。

 批判を受け止めた上で「日本代表を背負っている以上、ダメなら批判されて当然」と言葉に力を込めた。それでも「どんどん批判してもらっていいですけど、この局面を打開したときに、2022倍の称賛で称えていただければ」と続け、現状打破に意気込んでいる。

 中山とのポジション争いについて「しびれますね」と語り、「雄太は良い選手だと、これまでも言ってきました。自分が出ていないとき、いろいろな選手が代表で出ましたけど、あそこまで落ち着いて見られる選手はいなかったんじゃないか」と評価。「だからこそ長友は、経験があるので、もっと落ち着かなければいけない。彼よりも落ち着いてプレーしなければいけないと、身が引き締まる思いです」と自らに矢印を向けた。

「競争が生まれているのは素晴らしい状況。競争がなければ、人は安心してしまう、成長を止めてしまう。それが一番危険な状況。彼みたいに若くて良い選手が出てくるのは、僕にとっても非常にありがたいです。よりいっそうエネルギーが出てくる」とも語ったが、何より大事にしているのはチームの勝利であることも強調している。中国戦でアシストした中山に歩み寄り、ハグで祝福したことについて「純粋に日本代表として、チームとして勝ちたいんです。ワールドカップに行きたい。そこに僕は大きな夢を抱いている。だからこそ、彼が素晴らしいアシストをしたときも純粋に喜べる。それは勝ちたいからなんです」と思いを明かした。

 伊東純也を軸とした右からの攻撃が日本の大きな武器となっている半面、左からのチャンスメークが少ないことについては、南野拓実が中央寄りでプレーすることで大迫勇也が孤立しないことや、左からのサイドチェンジなどもできているとの認識を示した。ただ「もっと崩したい、というのが正直なところ。一番は、僕自身がもっと躍動しないとダメ」ときっぱり。「僕自身が躍動してサイドを制圧できれば、純也みたいに打開できれば、すごく厚みのある攻撃ができると思う。左サイドが停滞しているのは、すべて僕の責任」と語っている。

 さらに「拓実は中でプレーさせて、ゴールに絡む仕事をさせてあげたい」とした上で、再度「僕がもっと動かないとダメ」とコメント。「僕がすべて打開できれば何の問題もないし、批判もされない。それを受け止めなければいけない」と改善すべきポイントを挙げた。