上写真=遠藤航がキャプテンとして勝利に導く(写真◎小山真司)
「自分たちの良さを出すことにフォーカス」
吉田麻也と冨安健洋のセンターバックコンビが負傷で欠場。吉田に代わって、今回の2試合では遠藤航がキャプテンを務めることになった。
「2試合ともホームでできるので、アドバンテージとしてポジティブに考えています。厳しい戦いになるのは分かっているけれど、2勝しなければならないので覚悟を持って臨んでいきたい」
ワールドカップ最終予選の行方を占う重要なゲームだ。まずは1月27日の中国との一戦に照準を合わせる。前回対戦では1-0で勝利を収めているものの、中国は昨年12月に監督交代があり、メンバーも戦術も予測しづらい。
「最初の入りのところで、システムがどうなっているのかなどをピッチで見るつもりでいます。でも、自分たちがアクションを起こしてアグレッシブに入るのが大事で、もちろん相手の対応を見ながらにはなりますけど、あくまで主導権を握ることにフォーカスしていきたい」
自分たちのやり方で相手を上回っていく決意表明だ。
オーストラリア戦、ベトナム戦、オマーン戦と、ベースの配置を4-3-3に変更して戦ってきた。
「インサイドハーフの選手がどれだけ前の選手との距離を近くするかが大事ですけど、いま出ている選手が(田中)碧と守田(英正)だと、3ボランチ気味になるのは仕方ないと思います。彼らの特徴を生かすためにも高い位置に張らせるのは得策ではないし、誰が出ているかによって配置やチームとして生かすプレースタイルが変わります」
選手のキャラクターを組み合わせて勝利を収めるのが目的だから、ピッチに並んだ個々のストロングポイントを理解して生かすことができるように導きたい。そのために遠藤が考えるのは、自分自身のポジショニングだ。
「その2人がインサイドハーフで出ているときには、僕もアンカーとして後ろに立つだけではなくて、縦に出ていって三角形を作ってもいいと思っています」
現状の基本は最終ラインの前に遠藤が立ち、守田と田中が左右で構えるスタイル。その逆三角形に変化を加えて、遠藤が中央から前に追い越していくことで前線との距離感を調整するという考え方だ。
「いつもそうですけど、相手のことを気にしすぎるのは良くないと思っています。自分はどうなのか、自分のチームはどうなのかを考えてプレーして、相手は二の次というか、自分たちの良さを出すことにフォーカスして、最大限の力を出さないと」
慌てることはない。かつてのホームスタジアム、埼玉スタジアムに日本代表のキャプテンとして凱旋する男が、チームを細やかにアジャストさせていく。