日本代表は24日、ワールドカップ・アジア最終予選の2試合(27日中国戦、2月1日サウジアラビア戦)に向けた合宿をスタートさせた。一部海外組を除く18人で行なわれたトレーニングで、はつらつとした動きを見せていたのが長友佑都だ。主軸がケガで招集外となっている中、チームを盛り立てている。

上写真=主力数名が不在の中、経験豊富な長友佑都は「チームを落ち着かせたい」と語った(写真◎山口高明)

ポジティブにするのも僕の役割

「心配していない」

 長友はきっぱり言った。

 ケガのために吉田麻也と冨安健洋というチームのレギュラーCBの2人が招集外となり、戦力ダウンを不安視する向きは多い。だが、長友は「二人はこれまで日本代表を支えてきたセンターバックで、もちろん来られないのは残念ですが、日本にはたくさん良い選手がいるし、代わりに出てもしっかり戦える選手がいるので」。その言葉は淀みない。

 24日に始まったW杯最終予選に向けた合宿でもランニングでは先頭を走り、チームを引っ張る覚悟を示した。カタールW杯に出場すれば、自身4度目。つまりは厳しい予選も今回で4回目だ。刻んだ131キャップは伊達ではない。

「サッカーの世界は何が起こるか分からない。コロナ禍で、もしかしたらホームで試合ができなかったかもしれない。海外の選手たちが日本に来られないケースも考えられたわけで、そういうネガティブな要素を考えると、ホームで海外組も集まれて試合ができることは非常にポジティブ」

 常に前向きであること。ポジティブな空気はチームにもたらすこと。森保一監督が語る長友の特長だ。チームが難しい状況を迎えたときに力を発揮することが何より期待される。欠場するキャプテンの吉田からも「今回は行けないけど、佑都、頼んだ」と思いを託されたと明かした。

「期待に応えるしかない」

 ポイントを落とせば日本は苦境に立たされる。「全然問題ないというポジティブな精神状態にさせるのも(自分の)役割だと思っています。経験のある選手も多くいて、その選手たちで(吉田らの不在を)カバーできるし、まったく問題ないかなと僕自身は思っています」。まずは27日の中国戦。しっかり勝利をつかみ、自信と勢いをもって2月1日の首位サウジアラビアとの決戦に臨みたいところだ。