カタール・ワールドカップアジア最終予選の第6戦、オマーン対日本が11月16日(現地時間)に行われ、日本が1-0で勝利を手にした。重々しい前半を越えて、後半から登場して戦況を一変させたのが三笘薫。日本代表デビューとは思えない生きの良さで決勝点をアシストした。

上写真=三笘薫がついに代表デビュー、そして見事なアシスト!(写真◎Getty Images)

■2021年11月16日 FIFAワールドカップ・アジア最終予選・B組第6節(@オマーン)
オマーン 0-1 日本
得点:(日)伊東純也

「すごくやりやすかったです」

 三笘薫がついに日本代表のピッチに立った。アウェーのオマーン戦。前半は重々しくチャンスが作れない。うまくいかない流れを一変させたのが、このドリブラーだった。

 後半から4-2-3-1システムの左サイドハーフに入ると、すぐに左タッチライン際を突破して、まずは軽くあいさつ代わりのスラロームドリブルだ。2人をぶち抜いてファウルを獲得。その後も何度も相手の脅威となって、迎えた81分だった。

「雄太くんが素晴らしいボールをくれたので、前にスペースがありましたし、中にクロスを上げれば何かが起こるんじゃないかと思って上げました」

 その「何か」が起こった。

 高い位置のトランジションでボールを奪った中山雄太の好プレーから短く前へ、三笘がそのまま縦に出てから左足で中に送ると、逆サイドから伊東純也が入ってきてそのままプッシュ。待望の先制ゴールだ。

 デビュー戦でアシストと最高の結果を残したが、三笘にとってはどうしても勝ち点3がほしい試合で0-0で折り返したのは、プレーしやすい状況だったのだと明かす。

「今日の試合はサイドにスペースがありましたし、点を取るシチュエーションだったのですごくやりやすかったです」

 オマーンはボールサイドに人数をかける分、逆のサイドが空いてくる。その弱点を何度も突いていったし、そもそも狭いスペースでも一瞬で相手の逆を取るドリブルで抜けるのは得意だから、停滞した空気をなぎ払うにはうってつけのキャラクターだった。

 まさに「薫風」のような爽やかな風を日本代表に吹き込んで、まずは勝利に大きく貢献するキャップ1。しかしこれはまだ、始まりに過ぎない。