上写真=オマーン戦に向けて調整する伊東純也(写真◎JFA)
独善的にならずベストな選択を
最終予選初戦のオマーン戦で敗れ(9月2日)、勝つしかない状況で迎えた続く中国戦(9月7日)で大迫勇也のゴールをアシスト、勝ち点3の獲得に貢献した。前節のアウェー、ベトナム戦では守備に軸足を置く相手を攻めあぐねる中、南野拓実のクロスからゴールを決め、チームを勝利に導いた。
伊東純也は、今さら言うまでもなく、現在の日本代表に不可欠な存在になっている。本人は「自分がエースだと思ったことはない。得点に絡むことは仕事だと思いますけど、得点を奪うキャラではないというか。チャンスメークで味方が良い位置にいたらしっかりそこにパスを出すことも大事」と、自身が得点を挙げることそのものに固執してはいないが、『ゴールに絡む』ことが仕事とは自覚する。ここまでチームの攻撃をけん引しているのは間違いないところだろう。
代表では4-3-3の右ウイングと4-2-3-1の右サイドハーフで主にプレーしているが、自身の優先順位をしっかり持ちつつ、独善的にならず常に「ベストな選択ができればと思っています」と語り、ゴールはあくまで「状況を見ながら」との考えを持つ。
仕掛けについても、伊東はゴールから逆算してプレーを選択している。縦にいくのか、中にカットインするのか。ベトナム戦については「自分の中での優先順位は縦にいってクロスを相手の嫌な所に入れることの方が高い。縦を切られたら中に行くというスタンスで、縦に行けていたので行きました」と振り返った。
前回オマーンと対戦した際は、先発したものの、持ち味を出し切れず、63分に堂安律と交代しベンチに下がった。試合にも敗れることになり、16日の試合はチームはもちろん、伊東にとっても雪辱戦。「試合に出たらみんながやってやろうという気持ちを出さなければいけないし、自分が引っ張るという気持ちを出さないといけないと思います」。中心選手としての自覚をピッチで表現する
圧倒的なスピードでボールを運び、思い切りのいいシュートでネットを揺らす。守備でも相手の予想を上回る速さと鋭いアプローチでボールを狩り取ってみせる。伊東がピッチで輝く時、日本代表は良い状態にあると言っていい。
その影響力は、試合のたびに増している。