カタール・ワールドカップアジア地区最終予選で、全10試合のうち半分の5試合を消化した。得点は4でそのうち1つが大迫勇也によるものだ。さらに得点力を高めていくには「攻撃にもっと厚みを」と訴える。残り5試合、日本らしく攻める意気込みだ。

上写真=大迫勇也は中国戦で1ゴール。2つのシステムのどちらでも最前線に立つ責任を果たす(写真◎JFA)

「いろんなものを背負って戦っている」

 大迫勇也が繰り返し訴えたのは、「攻撃に厚みを」だった。

 ベトナム戦に勝って3勝2敗となんとか白星を先行させて、全10試合の最終予選も折り返し地点。後半戦は全勝を求めていくことになるが、そのためには攻撃にどう力を注ぐかの整理が必要だと話す。

「攻撃に関しては前でもう少し人数をかけられればいいと思います。相手が5バックで(日本の)前が3人だけの状況も多かったので、もう1人、2人絡んでくればいいと思います。なかなかああいうふうに(5人で)守られることもないですけど、今度は4バックなのでまた違った感じになると思います」

 ベトナムは守備時に5バックになって幅を埋めてきた。そこを突破するのに、中央の大迫に右の伊東純也、左の南野拓実の前線の3人だけになるシーンが多かったことが気になっている。4-3-3システムの難しさでもあり、大迫の言うところの「相手あってのフォーメーションだから、うまく使い分けていけばいい」という柔軟性に欠けた部分でもある。

 とはいえ、ベトナム戦唯一のゴールはその3人の鮮やかなコンビネーションで奪いきった。大迫のポストプレーで左に展開し、南野が抜け出して逆サイドにていねいに送って、走り込んだ伊東がプッシュ。それぞれの特徴がきれいに組み合わさったゴールだった。

「今度は4バック」というのはもちろん、16日(現地時間)に戦うオマーンのこと。9月の最終予選初戦で0-1の黒星をたたきつけられた因縁の相手だ。リベンジの気持ちはある。あるのだが、そこに意識を強く引っ張られることはよしとしていない。

「いろんなものを背負って戦っているので、そのプレッシャーもありますし、でもなかなか勝ち点3を取る気持ちが強すぎる気もしますね。もっと振り切って、全体で点を取りに行くというシーンがあっていいと思います。そこは感じる部分でもあります」

 勝利への気持ちが強くなる分、失点をしない戦い方を優先させるのではなく、みんなで攻めてみんなで点を取って勝ち点3をもぎ取ろう、という向かい方だ。

「まずは2回も負けられないですし、しっかり勝ち点3を取れるようにと考えています。相手のやり方はわかっていますし、弱点をどんどん突いていきたい」

 もちろん弱点が何かは明かさない。11月16日のピッチの上で、それが分かるだろう。