日本代表の堂安律が13日、オマーン戦に向けて取材に応じた。10月シリーズの練習中に負傷して離脱した後、クラブでも4週間ほど戦列を離れていたが、11月シリーズ直前に復帰。コンディションに問題はなく、得点力アップに貢献したいと意気込みを語った。

上写真=コンディションは「絶好調」と力強く語った堂安律(写真◎JFA)

2回も同じ相手に負けられない

 10月シリーズで負傷したヒザは、すでに回復し、コンデイションは「絶好調」と堂安は言う。所属するPSVでは、今月4日のヨーロッパリーグ・モナコ戦で復帰し、30分あまりプレー。中2日で臨んだ続く国内リーグのフォルトゥナ・シッタルト戦では開始16分に緊急出場すると、先制ゴールをスコアした。復活の手応えを得て、今回の代表活動に参加している。

 堂安不在の10月シリーズのオーストラリア戦で日本は4-3-3のフォーメーションを採用し、ハイプレスとビルドアップの改善を図った。2-1で勝ち切り、結果を出したことで、前節11日のベトナム戦でも同様の形で戦った。ただ、ボールを握るものの、攻めあぐねる場面も散見。1-0で勝利し、勝ち点3を得るという目標は達成したものの、グループ最下位の相手に複数得点を手にすることはできなかった。

 ベンチから試合を見つめた堂安は「ピッチ内の選手にしか分からない部分はあると思います」と断った上で、私見を語った。「コンビネーションのところでうまく噛み合っていないと思っていて。個人の能力を見ると、僕らの方が明らかに対戦相手よりも上回っている中で、なぜ点が取れないかと言ったら、1対2とか1対3で仕掛けているケースが多い。やっぱりコンビネーションで3人、4人が絡んでゴールに迫っていくのが(必要)」。合わせる時間が足りないこともあり、連動性を発揮できない状況に原因があると見ていた。

「オーストラリア戦(10月12日)は、噛み合っていた分、チャンスが多く演出できていた。ベトナム戦はなかなか見せられなかったと思いますけど、コンビネーションが良くなれば爆発して点を取れるチャンスが多くなると思います」。こと連動性ということで言えば、今夏に長期合宿を経験し、東京五輪をともに戦ったメンバーが多い今回の代表は、合わせる時間がない中でも同じ絵を描きやすく、堂安にとってはプラス面も多いかもしれない。
 
 オマーン戦も引き続き、4-3-3を採用した場合、堂安に与えられるポジションはインサイドハーフか右ウイングになるだろうか。本人もこの2つのポジションでの起用をイメージしていた。「今は3ボランチのような形でポゼッションしていると、外からは見えます。僕が出ると少しスタイルが違うので、もう一つ前でFWの近く、ウインガーの近くで、トップ下のようなインサイドハーフになる。少し変化を加える役割を与えてもらえれば、そういうプレーはできるかな」。インサイドハーフで出た場合には現在の3人とは異なる色を出し、チームに貢献したいと話した。

 また、複数得点がなく、厳しい状況を進むチームについて「僕が出られれば、喝を入れるというか、出ている選手に刺激を与えられるような役割ができればと思います。1-0で勝ったことで満足はしていないので。勝てばいいけど、勝つだけではダメ。難しいですけど、次の試合はそういうところを変えていければ」とチームの活性化を自らが果たす覚悟も示した。

 次戦のオマーン戦(16日25時)は最終予選の初戦で負けた相手だが(0-1)、その試合でおよそ30分プレーした堂安は「2回も同じ相手に負けられないと選手全員が思っています」と闘志を燃やす。「ベトナム戦は勝ちましたけど、手放しで喜べたかというとそういう内容ではなかった。それは選手も分かっていること。次の試合はみんなで心の底から喜べるような勝ち方をしたい」。完勝でチームをさらに前進させると誓っている。