日本代表のFW古橋亨梧がベトナム戦から一夜明けた12日、オンラインで取材に応じた。カタールW杯アジア最終予選は5節を終え、順位も3位に浮上。古橋は75分から出場し、前線で懸命に走り、ゴールを目指したFWが、心境を語った。

上写真=ベトナム戦から数時間後のフライトでオマーン入りし、翌日取材に応じた古橋亨梧(写真◎JFA)

「相手の嫌なところがわかる」

 アジア最終予選のグループBを戦っている日本が11日、ベトナムに1-0で勝ち切った。この試合、ベンチスタートだった古橋は75分に大迫勇也に代わって出場。3トップの中央にそのまま入った。「相手に勢いがあったので、流れを変えたかった。背中をとって相手を動かせたらいいなと思った」。ゴールに関わるような目立ったプレーはなかったものの、15分間、相手の背後を執拗に狙ったり、巧みなフリーランニングでベトナムのDFを引き付け、同じく途中出場の浅野拓磨ら周囲の選手のスペースを生み出した。

 所属しているスコットランドのセルティックでは、ゴールを量産している。ヴィッセル神戸で国内屈指のアタッカーへと成長し、7月にセルティックに完全移籍。初めて海外でプレーすることになったが、素早く順応し、国内リーグでもUEFAヨーロッパリーグでもゴールを重ねている。好調の理由について「よりゴールに近いところでの駆け引きが求められるポジションでやらせてもらっていて、それがすごく今は居心地が良く、結果を出せている」と話し、「自分の特長が今、一番出せているポジションかなと思っている」と、手応えを語る。ベトナム戦ではネットを揺らせなかったが、所属クラブでの好調を、代表につなげたいところ。

 次戦は、16日のオマーン戦。最終予選の初戦でホームで対戦しながら0-1で敗れた相手だ(9月2日、@大阪)。古橋自身は前回対戦で後半から出場。左サイドハーフでプレーし、何度も仕掛けたが、ゴールを生みだすことができなかった。今回の対戦では、ベトナム戦同様によりゴールに近いFWとして起用される可能性がある。「感覚で、どこにスペースがあるか、相手はどこを嫌がっているかがわかる」と自ら語る通り、現在の古橋はゴールへの嗅覚が研ぎ澄まされている。「(オマーン戦では)僕自身はもっともっと相手の嫌なところ、相手のスペースを突く動きをしたり、味方と連動して動くことを意識してやっていきたい」と意気込んだ。

 ベトナム戦の勝利で3位に浮上した日本は、連勝すれば、さらに上位との差を詰める可能性もある。古橋にかかる期待は大きい。クラブの好調を代表のピッチで示すには、オマーン戦は格好の舞台だろう。