日本代表の浅野拓磨が、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選に向けて報道陣の質問に答えた。10月の2試合を踏まえ、劇的なものだけでない活躍のために、自身に求められることなどを語っている。

上写真=10月のオーストラリア戦で決勝点となるオウンゴールを誘発した浅野はベンチへダッシュ! 今回も歓喜の輪の中心となれるか(写真◎小山真司)

ベトナムは「スキは絶対にある」

 10月シリーズでの活躍は記憶に新しい。7日にアウェーでサウジアラビアに0-1で敗れ、絶対に勝たなければいけない状況で迎えた12日のホームでのオーストラリア戦。1-1で迎えた78分から交代出場した浅野は、86分にエリア内左サイドから左足でシュートを放つと、相手DFに当たったボールがゴール前で混戦となり、オウンゴールを誘発して2-1の勝利に貢献した。

 11月11日にベトナム、16日にオマーンとのアウェー2連戦に臨む今回も「毎試合、自分がやったるぞという気持ちは持っている。その気持ちで、まずは次の試合に向けて良い準備をしたい」と語る。ベトナムへの入国制限の関係でドイツ→日本→ベトナムというルートで現地入りしたため、「移動は、正直に言えば厳しいものだった」と明かすが、「それも最初から分かっていること。残りの時間を、より良い準備をすることにあてるしかない。常にそういう意識でやっていければ」と前向きにコメントした。
 
 ベトナムは最終予選4戦全敗のグループ最下位だけに、しっかり勝ってオマーンに乗り込みたい。「自分がどういう形でピッチに出るのか、日本がどういう形で戦うのかはこれからだが、スキは絶対にあると思う」と相手を評し、「スペースがなくても、一つの動きで相手の背後は取れるし、そういうところをチーム全体で合わせていければ、チャンスは絶対にあると思う。あとは決めるか、決めないか。僕だけじゃなく、全員で1点をもぎ取って良い試合ができれば」と試合へのイメージを膨らませる。
 
 10月は、オーストラリア戦は前述の通り交代出場で、サウジアラビア戦は右サイドで先発出場して59分までプレーした。ポジションも含めた起用法次第で求められる役割は微妙に異なるが、「まず目指すのはゴール。それは毎試合、変わるものではない」ときっぱり。ただ自分に求めていくのは、オーストラリア戦のような劇的な活躍だけではないという。
 
 サウジアラビア戦を振り返って「ボールコントロールが一つ決まっていればシュートまでいけた、もう少し細かいプレーの質を上げていればゴールを取れていたんじゃないか、というプレーは何度かあった」と反省点を口に。それを踏まえて「細かいところに、とにかくこだわるしかない。それでシュートを打てる・打てない、ゴールを取れる・取れないが決まる。動き出しやスピードを生かしたプレーを高めることは、もっとやり続けた上で、そういうところを意識してやらなければいけない。あとは守備で、チームのために全力でプレーすることは変わらずやっていきたい」と力強く語った。