日本代表の森保一監督が12日のオーストラリア戦を前に公式会見に臨んだ。チームはアジア最終予選3試合を終えて1勝2敗でグループBの3位につける。ホームで迎える首位チームとの大一番に敗れると勝ち点差は9に広がり、W杯への道程は厳しさを増す。去就問題も取りざたされる中、指揮官は何を語ったか? 

上写真=大一番を前に心境を語った森保一監督(写真◎Getty Images)

強度を高くやり続けなければ追いつけないし、追い越せない

「最終予選3試合を終え、われわれが厳しい状況に置かれているということはもちろん承知しています。しかしながら、ワールドカップ最終予選は厳しい試合の連続であると、最終予選に臨む前から覚悟していました。まだまだわれわれ次第で巻き返せるチャンスがあると思いますし、出場権獲得のために勝利を目指して戦うことだけを考えて臨みたいと思います」

 結果を出せなければ、批判を浴びるのが代表監督だが、最終予選の戦いでは内容面でも上積みが感じられず、その去就が取り沙汰されるほど、その声は大きくなっている。グループのライバルと目されていたオーストラリア、サウジアラビアと3試合を終えた時点で勝ち点6差をつけられた現状では、それも当然だろう。

 むろん、まだ7試合が残されており、挽回のチャンスはある。指揮官もその姿勢を崩さなかったが、今日12日にホームで迎えるオーストラリア戦で勝ち点を落とすようなことがあれば、そのチャンスはますますしぼんでしまう。自力で2位以内に入ることが難しくなり、3位を狙ってプレーオフ経由でカタール行きを狙うことが現実的な選択となってくる。だからこそオーストラリア戦は極めて重要だ。

「オーストラリア戦では、勝つためにベストなメンバーを選びたい。昨日もすでにゲーム形式の練習はしているが、今日の練習でも選手の動きを確認してメンバーを決めます。これまで戦い方が変わっていないように見られるかもしれませんが、毎回対戦相手が違うので、相手のストロングポイントはできるだけ消し、ウイークポイントを突いていけるようにやってきた。対戦時に何が起きるかを想定して、相手の良さを消しながらわれわれの良さを出していけるように準備したい」

 コンディションの見極めやチームを機能させるという点から見ても、オマーン戦とサウジアラビア戦における指揮官のメンバー選考には疑問が残った。起用法が硬直化している印象はぬぐえず、そのことを指摘する声も多い。指揮官は豪州戦も「現状のベスト」を選ぶと話すにとどめた。現在の流れを断ち、好循環に持っていくために、チームを刺激するような選択を求めたいところ。オーストラリア戦でどんな手を打つのか、注目される。

 また、ここまでの戦い方において、選手の中から攻め急いでいるという反省の声が聞かれる。緩急の『緩』の部分の考え方について、質問され指揮官は改めて自身の考えと取り組みについて説明した。

「強度を高くして、プレーのテンポを早くしていくことが日本サッカーが世界で勝っていくために、アジアで確実に勝つために必要なことだと思って練習しています。選手たちにも働きかけて試合で実践してもらっています。試合中でも練習でもゆっくりボールを持つことを働きかけてはいますが、選手たちが実践できていない点では、トレーニングを改善し、ミーティングの中でも話していきたいと思います。ただ世界のサッカーで勝っていこうと思えば、実際にゆっくりとボールを持つということもあり得ますが、強度を高くやり続けることを前提にやらないと、おそらく日本が世界で勝っていくという部分で、世界のトップトップに追いつくこともできなければ追い越すことも絶対にできないと思っています」

 世界のトップトップと直接対戦し、その考えを確認する機会を得るためにも重要なのは、まずもってワールドカップ出場権を得ることだ。「勝利の確率を上げる」万全の準備をしっかり整えたのか。「アジアで確実に勝つ」ためとするコンセプトは正しいのか。今夜のオーストラリア戦で、一つの結果が出る。