日本代表MF遠藤航が、10月12日のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選・オーストラリア戦への決意を語った。準備状況の一端を明かし、サウジアラビア戦の敗戦からの立て直しに強い意欲を見せている。

上写真=サウジアラビア戦での失点直後、ピッチ上に集まった日本代表のメンバー。遠藤(6番)はミスを犯した柴崎(7番)に声を掛け、切り替えを促したという(写真◎JFA)

オーストラリアは「すごく組織力があるチーム」

 現地時間10月7日のサウジアラビア戦に0-1で敗れた試合後、遠藤はボール奪取後のプレーについて「カウンターに行くところと、一度落ち着かせて、みんなで息を合わせて、タイミングを見計らいながら相手を崩していくところとの使い分けは、もっとやっていけると思う」と語っていた。再度この点について問われると「サウジアラビア戦は相手にボールを持たれて、自分が(パスを)受けられるチャンスも多くない状況で、縦の選択をしていたけど、自分が横パスやバックパスで落ち着かせられるかどうか」と指摘。さらに「いまはアグレッシブに、前にパワーをかけていく時間帯なのか、押し込まれた時間帯でキープした方がいいのか。その空気感はある程度、自分は読めると思っているので、判断を間違えないことが大事」と強調した。

 帰国後の9日の練習では、吉田麻也、長友佑都、冨安健洋、酒井宏樹、南野拓実が集まって話し合う姿が見られた。サウジアラビア戦での反省を踏まえ、守備のやり方も確認したというが「いまはどちらかというと、ボールの動かし方とか、攻撃になったときにどんなポジションを取ればいいのかを話している」と明かした。現状の課題であるボール奪取後のプレーについて、少しでも改善したいという選手間の思いが伝わってくる。

 結果が出ないことで、これまでのやり方を続けることに迷いが生じてもおかしくはない。それでも遠藤は「個人的には(続けることに)迷いはない」ときっぱり。「大事なのは、一人ひとりにいろいろなオプションや考え方がある中で、いかに共通意識を持ってやるか、同じタイミングで動けるか。ちょっとした立ち位置の話を(9日の練習で)したので、次の試合ではもう少し出せると思う」と前向きに語った。

 サウジアラビア戦での失点直後、ミスを犯したMF柴崎岳に声を掛けて奮起を促していたことを問われて「岳がしゃがんでいたのが見えたけど、切り替えるしかないし、まだ時間は残っている。まず1点を返すという気持ちを、チームとして見せなければいけないと思ったので、そういうアクションになった」とコメントした。「すごく組織力のあるチームだと思う。我慢しながら、状況を見ながら、という戦いになっていくのかなと予想している」と評したオーストラリア戦は、チーム全体がリバウンドメンタリティーを発揮できるかもポイントになりそうだ。