日本代表MF浅野拓磨が、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア戦への意気込みを語った。先発したサウジアラビア戦のプレーと結果を踏まえ、最善の準備をして臨むべく燃えている。

上写真=浅野はサウジアラビア戦では先発して59分までプレー。オーストラリア戦で、より相手の脅威となれるか(写真◎JFA)

サウジ戦の前半は「体力を削られていった」

 現地時間10月7日のサウジアラビア戦を終えた後、すぐにチャーター便で帰国の途に就き、宿泊先に到着したのは日本時間9日の2時過ぎ。それでもすぐに眠ることができたそうで、「体調は全く問題ありません」と現状を語った。

 サウジアラビア戦は2列目の右サイドで先発し、スペースに抜け出して縦パスを受けたり、MF南野拓実へセンタリングを送ってチャンスに絡んだが、59分にMF原口元気との交代で退いた。その後に失点した日本は0-1で敗れ、さらに苦しい状況に追い込まれている。

 前半のプレーについて「体力的に、すごくきつい時間帯だった」と振り返った浅野は、「守備でも頑張るのはチームで共有してやれたと思いますが、試合後に(チームメイトと)話して感じたのは、全員が『これは大丈夫か』というくらい、きつかった45分間だったと思う」と明かした。ゆえに「もっと相手を怖がらせる動きや、フリーランの質、どこに走るのか、スピードを上げるタイミング、そういったものは全く納得していない」という。
 
 苦しいプレーとなった要因については「時間が経つにつれて会場の暑さや息苦しさが、想像より厳しさを感じた」とコメント。さらに「攻撃だけでなく、守備でも相手のサイドバックやセンターバックとの駆け引きを、常に集中してやる45分間だったので、体力を削られていった」ことも挙げた。

 一方で、自分のプレーの質にも言及している。「ゴールを脅かすような質のクロスは1本も上がっていなかった」と反省し、「仕掛けることや、ゴールに向かっていくところも視野に入れることで、クロスの質も影響が出てくると感じる。周りを見る判断と、見た上で何をするのかという判断を、もっと上げなければいけない」と指摘した。

 その点で言えば、サウジアラビアほどの暑さにはならないはずの日本では、パフォーマンスの向上が期待できる。10月12日のオーストラリア戦に向けて「日本の環境になじむことは、そんなに難しいことではないと思う」と語り、「難しい環境でやった後だからこそ、自分たちの持っている力を全力で出し切る舞台は整っている」と意気込んだ。

 最終予選3試合で2敗を喫し、チームに向けられる目は厳しいものとなっているが、「僕たちはここにいる限り、次の試合に向けて切り替えて、100パーセントの準備をするだけ」ときっぱり。カタールW杯への道を切り開く反撃に向けて、決意を新たにしていた。