日本代表MF遠藤航が、カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のサウジアラビア戦を終えて、あらためて取材に応じた。失点につながるミスを犯したMF柴崎岳や、中盤で感じたチームの課題などについて語っている。

上写真=遠藤(左)はフル出場したがチームは痛恨の黒星。ボール奪取後の攻撃に課題があると指摘した(写真◎Getty Images)

■2021年10月7日 FIFAワールドカップ・アジア最終予選(@キング・アブドゥラ・スポーツシティー)
サウジアラビア 1-0 日本
得点:(サ)フェラス・アルブレイカン

「攻撃の精度は、もう少し改善できる」

 日本は71分、MF柴崎岳のバックパスのミスからカウンターを浴び、決勝点を奪われた。試合後にホテルに戻り、オンラインで報道陣の質問に答えた遠藤は、後半の方がチャンスになりそうだと感じていたとしながらも「相手も(動きが)落ちてきた時間帯だったので、どこでもう1回パワーを出すか、というところ。中盤で良い形でボールを奪えればチャンスになりそうなシーンは、前半からあった。後半に相手が落ちてきた中で、ちょっとしたスキを突いてチャンスメークできればと思っていたが、失点の時間帯が良くなかった」と指摘している。

 それでも「岳を責められるわけじゃない。自分もどうやってサポートできたのか」と振り返り、「90分間を通して岳との距離感(を良くして)、もう少しサポートするようなプレーをしたかったという反省点がある」とコメント。さらに中盤の攻防について「相手もウイングが中に入ってきて人数をかけたりしていた。相手の方が攻守において距離感が良かったと思う」と自身の見解を明かした。

 最終予選3試合で1得点という得点力不足にも目を向ける必要がある。遠藤は「ブロックを敷いて戦う中で、カウンターというところで前へ行くタイミングは、そんなに悪くなかったと思う」と語る一方、「それが無理だったときに、落ち着かせる時間帯を作れるかはチームとして大事。今日も中盤が守備で運動量が多かったぶん、攻撃になったときに自分のところで落ち着かせられなかった」と反省点を口にした。

 さらに「カウンターに行くところと、一度落ち着かせて、みんなで息を合わせて、タイミングを見計らいながら相手を崩していくところとの使い分けは、もっとやっていけると思う」と強調。「誰かがカウンターに行くけど後ろがついてこない、とか、一度遅らせたいけど縦に急いでしまう、みたいなことがある。しっかり合わせられれば」と修正すべきポイントを挙げている。

 痛恨の敗戦だが、試合後の控室では「切り替えるしかない、という話。もちろん、そんなに良い雰囲気ではなかったですけど、すぐに試合は来るので、頭をしっかり切り替えようと話していた」という。「今日に関して言えば、チームとして緩く(試合に)入ったわけでもない。一つひとつの球際や、走るところ、ベースの部分はしっかりやれていたと思う」としつつ、「攻撃の精度は、もう少しチームとして改善できると感じている」と語った。

 12日にホームで行なわれるオーストラリア戦は、カタールW杯への道を切り開くためには絶対に勝たなければいけない。「もちろん厳しい状況ではありますけど、あと7試合ある。目の前の1試合1試合、とにかく勝ち点3を積み上げていくしかない」と決意を新たにした遠藤は、「周りの結果よりも、自分たちがこれから勝ち点3を積み上げていくことだけを考えてプレーしていけばいいのかなと思う」と言葉に力を込めた。