苦しくて重要な連戦だからこそ、長友佑都の出番だろう。カタール・ワールドカップのアジア地区最終予選。10月の2試合はアウェーのサウジアラビア戦から始まる。長友は9月の予選のあとにFC東京に加入してしっかりとゲームでコンディションを高めてきた。絶対連勝へ、気持ちは高ぶっている。

上写真=長友佑都はFC東京の一員として日本代表へ。Jリーグのゲームの中でコンディションをしっかり高めてきた(写真◎JFA)

「引き分け狙いは考えていない」

 当たり前の話だが、長友佑都が掲げるのは「絶対連勝」である。

 9月に始まったカタール・ワールドカップのアジア地区最終予選で、日本は最初の2試合はオマーンに負けて黒星スタート、次の中国戦には1-0で勝ったものの、グループBで4位だ。2位以上が出場権獲得、3位がプレーオフへ。

「緊張感というか、危機感を含めて確実に上がっていると感じています」

 その2試合を受けて、10月のアウェーのサウジアラビア戦、ホームのオーストラリア戦と非常に重要な2連戦を前に、長友佑都はチームに漂う空気の引き締まりを感じている。

「もちろん僕も2連勝を目指しています。引き分け狙いは考えていないです」

 最終予選は全10試合。ここで勝ち点6を取れば、残り6試合を優位に戦える。オーストラリアが首位、サウジアラビアが2位だから、冨安健洋はそれぞれで「勝てば6ポイントの価値がある」と話していて、つまり連勝で「12ポイントマッチ」だ。

 一方で、最終予選は何が起こるかわからないのが常識。初戦のオマーン戦黒星もそうだし、長友は何度も痛い目にあってきた。

「試合の状況だったり、もしかしたら退場選手が出て一人少なくなったり失点してしまったりという状況も考えられます。経験のある選手がいるので、守るべきなのかカウンターを仕掛けるところなのかなどを考えていきたいと思います。長い最終予選ですけど、僕たちは初戦に負けているので余裕はありません。2連勝目指してがんばります」

 しかも、サウジアラビア戦はアウェーだ。暑さが気になるが、「彼らは暑いところで戦っているので、この環境で戦うことを熟知した戦い方をしてきます」と警戒心を高める。ポゼッションを高めていくサウジアラビアのスタイルは、その分、暑さの中で相手を走らせて疲弊させる目的があると見ている。

「前からいってはめる時間と、ブロックを作って持たせる時間と、共通意識を持っていれば戦えると思っています。前からいくときはしっかリはめて、球際を激しく戦ってショートカウンターにつなげて、ブロックを作ったときには相手に持たせるけれど前に早くフォワードやアタッカーにつけて、みんなで出ていくサッカーができれば点は取れると思います」

 長友自身はこれまでの日本代表としての活動において、今回のチームが最も激しく球際を戦い、最も切り替えの素早さを持つチームだと実感している。相手サイドバックの裏に「おいしいスペース」があることも分かっている。

「サイドで2対1の状況を作ったり、スプリントではがすことはできるので、意識してやりたいと思っています」

「速さ」が大きなポイントになりそうだ。