日本代表DF吉田麻也が、カタール・ワールドカップ(W杯)最終予選での逆襲を誓った。オマーンに敗れた初戦の反省点と課題を洗い出し、前回の最終予選を思い出しながら、第2戦からの巻き返しに向けて意気込んでいる。

上写真=カタールに移動して調整を続ける吉田。前回の最終予選同様、黒星スタートからの予選突破を目指す(写真◎JFA)

攻守の切り替えが生命線

 9月2日のオマーン戦に敗れ、苦しいスタートとなった。日本代表のキャプテンとして、真価が問われる状況にあることを理解している。第2戦の開催地カタールでオンライン取材に応じ、「チームが苦しいときこそ、引っ張れる選手になりたいと常々思っている。いまが、まさにそういう時期だと思う」と語った吉田は、「良い方向にチームを導きたいし、もう一度全員が、これが最終予選で、負ければ大変になることを理解して臨まなければいけない」と言葉に力を込めた。

「もちろん初戦も、僕も含めて頭では理解していたはずですが、やはり足りなかった」と振り返る。「チームとしてあってはならないことだし、日本代表として、ホームでアジアと戦うなかで、ああいう試合をしてはいけない。そこを律することができなかった自分のミスでもあるし、チーム全体のミスでもある」と猛省し、「次の試合からもう1回、気持ちを入れ直してやっていこう、やっていかなければいけないと思っている」と強調した。

 オマーン戦では前線に残っている相手の2トップに対し、日本の守備が両CBだけで対応する2対2の状況になることが多かった。これについては「基本的にはサイドバックのどちらかが残り、両サイドバックが攻め込んで高い位置を取るときは、ボランチをスクリーンに置く。どちらかですが、その距離感が非常に良くなかった。特に後半、カウンターを食らってしまうシーンが多く、ずるずると下がりながら守備をしてしまった」と分析している。
 
 ただ、それも「自分たちは切り替えを早くして、奪われたボールを奪い返し、2次攻撃、3次攻撃につなげていく。あるいはカウンターをさせないようにコンパクトにして、守備のオーガナイズを整えるところが生命線」という前提がある。「それをやらないことには、 カウンター対策や2次攻撃も始まらない。もう一度、そこをやろうと話している」とチーム内の話し合いを明かした。

 2016年9月、ロシアW杯最終予選の初戦もホームでUAEに1-2で敗れた。当時は最終予選の初戦で敗れた国が本大会出場を決めた例がなく、大きな危機感に包まれたが、5日後にアウェーでの第2戦でタイに2-0で勝ったところから巻き返し、無事に出場権を獲得している。

「前回負けたときは、(初戦で敗れたチームはW杯に行けない)ジンクスのことを言われていたし、行けないんじゃないかというプレッシャーは非常に大きかった」と語る。一方で「そのプレッシャーを自分たちの力に変えることができた。もちろん危ない試合はありましたが、確実に勝ち点を積み上げられたことが大きかった」と前回の道のりを評した。

 同じ道のりを歩むためにも、7日の中国との第2戦は極めて重要。「ギアを上げて、自分たちの本来の姿を取り戻し、勝ち点3を奪わなければいけない。僕は十分に巻き返せると思っているし、必ず巻き返す気持ちでいる。勝つだけです」とシンプルな決意を口にした。