日本代表GK川島永嗣が、9月4日にオンラインで報道陣の質問に答えた。カタール・ワールドカップ(W杯)最終予選での黒星スタートを受け、巻き返しに向けて求められることを、自らの経験を踏まえて語っている。

上写真=5月と6月の2次予選では2試合に出場した川島。自身も経験した最終予選の厳しい状況を、どう乗り越えていくのか(写真◎JMPA毛受亮介)

「微妙な差が大きな結果に変わってくる」

 9月2日のオマーン戦に0-1で敗れ、前回のロシアW杯最終予選に続いて黒星スタートとなった。川島は「ここまで2次予選を含めて、それほど困難な状況をチームとして経験していない。こういうところでこそ、自分たちの力が求められると思う」と語り、「もう一回、自分たちに集中して、どれだけ覚悟を持って進めるかが、これから大切なところ」と今後を見据えた。

 下田崇GKコーチやGKグループの3人でオマーン戦を振り返ったといい、「失点シーンだけでなく、全体を通して考えなければいけない。失点シーンが出てくるのは一瞬でしかない。そこで自分たちが、どれだけ対応できるのかが求められる」とコメント。その上で「根本的に、修正できる部分は1試合1試合、修正していかなければいけない。毎試合同じことができるわけではないので、逆にそういう環境、試合状況の中で、自分たちがしっかり対応していくことは常に求められる」と自身の考えを語った。

 今回のメンバーで最年長の38歳。2010年南アフリカW杯から数えて4回目の最終予選とあって、豊富な経験を踏まえて「予測できないことが起こり、戦い方も相手の出方も全く変わってくるのが最終予選」と指摘する。「何となく、うまくいくことはないし、どのチームも出場権を懸けて全力で来る。結果的に勝ち点が取れなかったのは残念ですが、ここからが大切だと思うし、チームメイトにも伝えていきたい」と巻き返しを誓う。

 前回、2016年9月のロシアW杯最終予選初戦でUAEに敗れたときはメンバー外だった。その後、17年3月のアウェーでのUAE戦で先発出場し、2-0の完封勝利に貢献して予選突破につなげている。当時の心境を「自分がやれること、チームにとってプラスになることをやろうとしか考えていなかった」と振り返り、「最終予選は取り返しがつかない試合しかなく、一つひとつのプレーも取り返しがつかない。消極的ではいけないし、積極的にいくところでも、どうやってリスクを負い、考えるのか、微妙な差が大きな結果に変わってくる。そこをポジティブに捉えて、リスクを負っていかなければいけない」と強調する。

 7日の中国との第2戦は、誰もが「勝たなければいけない」と語るだけに、前がかりになりがちな状況で、守備陣はリスクとのバランスが重要になりそうだ。「後ろに関してはリスクを負うというよりも、どれだけ正確にやれるかが一番(大事)。やはり失点しないこと」をポイントに挙げる一方、「もちろんアクシデントで失点してしまうこともあると思う。それを、どうメンタル的に立て直して、次に向かっていくかも大切」という気持ちの準備も。そのために「ピッチ上で一つミスが起こった後に、すぐにカバーするのが大切」との考えも示した。