日本サッカー協会(JFA)は2日、カタールワールドカップ出場に向けたアジア最終予選を戦う日本代表から、DFの酒井宏樹が離脱すると発表した。酒井は2日にオマーン戦にフル出場したが、中国との第2戦(現地7日)を前にチームを離れた。

上写真=オマーン戦にフル出場した酒井宏樹(写真◎JMPA早浪章弘)

クラブでも5試合でフル稼働

 日本の不動の右サイドバックが、中国戦が行われるカタールへは行かず、チームを離れることになった。理由は「オーバーワーク」だという。JFAの説明が以下の通り。「DF酒井宏樹選手が途中離脱することになりましたのでお知らせします。酒井選手はヨーロッパでのシーズン終了後、東京2020オリンピック競技大会に臨むU-24日本代表に合流、事前合宿から本大会まで活動し、直後に所属クラブに合流、そして今回の代表活動への参加という中で、代表スタッフがオーバーワークを考慮し、今回チームから離脱させるという選択を取りました。所属チームでも数日間、休養に充てる配慮をしていただくことになります」。

 ヨーロッパでシーズンを終えてほぼ休みなく東京五輪を戦い、移籍した浦和レッズでもチーム合流後、リーグ戦と天皇杯の5試合でフル稼働。疲労が蓄積しているのは明白だった。オマーン戦も右サイドバックとして先発したが、ゲーム終盤になると自陣右サイドで相手に簡単に振り切られる場面が散見。ボックス内で体を寄せ切れず、1対1にめっぽう強い酒井らしくないプレーも見られた。

 今回の離脱がオーバーワークが原因だとすれば、そうしたギリギリの状態を把握しながらもオマーン戦で起用せざるを得なかったのか。それとも1試合限定で起用したのか。いずれにせよ、途中離脱に至ったことで、マネジメントには疑問が残る。それと同時に、オマーン戦で動きの重たかったフル稼働中の選手たちの状態はどうなのか、という不安も生じる。

 日本は初戦に敗れ、次戦の中国戦は勝利がマストの状況だ。豊富な経験を誇る酒井の離脱は当然ながら、痛い。