カタール・ワールドカップアジア地区2次予選の最終戦となるキルギスとのホームゲームが6月15日に行われ、左サイドバックの小川諒也は2度目の先発出場を果たした。33分にはオナイウ阿道のハットトリック達成となる豪快なヘディングシュートを自慢の高速クロスで導いた。だが、本人は物足りない。判断のスピードを上げることが必要だという。

上写真=小川諒也の自慢の高速クロスがオナイウ阿道のハットトリックを導いた(写真◎JMPA毛受亮介)

■2021年6月15日 ワールドカップ2次予選兼アジアカップ予選(@吹田/リモートマッチ)
日本 5-1 キルギス
得点者:(日)オナイウ阿道3、佐々木翔、浅野拓磨
    (キ)ミルラン・ムルザエフ

「逆にフリーすぎて、迷ってしまった」

 オナイウ阿道にハットトリックの「プレゼント」だ。左サイドバックとして2度目の先発となった小川諒也が33分、自慢の左足を振り抜いて最高の高速クロスを届けた。これがどんぴしゃりで頭に合って、オナイウはハットトリックを達成した。

「クロスは最初に1、2本上げたときに、芝が深くて浮いてしまう感じがあったので修正したのと、そこからは中も3枚、4枚と入ってくれていましたし、合わせやすかったシーンが多かったですね」

 この予選でキルギスは最も強敵になるはずだったが、ピッチの中ではプレッシャーは緩め。

「思ったより自分のところでフリーで持てる場面が多くて、逆にフリーすぎて、前に運ぶかパスを選択するのかというところで迷ってしまった部分があったので、はっきりやるように修正しました」

 その迷いを吹っ切ってからは、その左足を何度も活用していった。左サイドハーフに入った浅野拓磨との縦関係もスムーズだった。

「拓磨くんははっきり動いてくれるので生かしやすかったし、出す方も楽というか、簡単に裏を取れる場面があったので使っていきました」

 キルギスは守備に回ると5バック気味になるのだが、徐々にワイドの選手とセンターバックの間が空き始めると、軽々と裏のスペースにボールを送った。その浅野を起点に使って自分でさらに奥のスペースに入り込むシーンも増えて、生き生きと走り回った。

 それでも、アシストのシーン以外は「まだまだの部分が多くて」と反省ばかりで、「いいところと悪いところと両方出た感じです」と笑顔はなし。

「上がったり相手が来たときに、ちょっとパスミスが多くて合わないシーンが多くなってしまったので、減らさないと。最終予選になれば相手のプレスは速くなりますし、判断のスピードを早くしないといけないと思います」

 左サイドバックは長く長友佑都が牙城を築いている。だが、いつまでも頼り切りになるわけにはいかない。

「ゴールやアシストという結果がほしかったので、1アシストですけどつけられたのは良かったです。でも本当に、まだまだ自分に足りないところが多く出た試合でした。東京に帰ってしっかり突き詰めながらやっていきたい」

 FC東京の先輩でもある長友を脅かす存在の一人として、このアシストでクローズアップされていかなければならない。