日本代表は6月15日、カタール・ワールドカップ2次予選最終戦のキルギス戦に臨んだ。代表初先発のオナイウ阿道が前半だけでハットトリックを達成。1失点はしたものの、後半に2点を追加して2次予選を全勝で終えた。

上写真=PKで先制点を決めたオナイウが会心の笑顔。さらに2点を加えてハットトリックを達成した(写真◎JMPA毛受亮介)

■2021年6月15日 ワールドカップ2次予選兼アジアカップ予選(@吹田/リモートマッチ)
日本 5-1 キルギス
得点者:(日)オナイウ阿道3、佐々木翔、浅野拓磨
    (キ)ミルラン・ムルザエフ

わずか6分間で3得点

 5月24日に海外組のみが集合してスタートした今回のA代表の活動は、国内組の合流、U-24日本代表と並行しての活動などを経て、この試合が最後。すでに2次予選突破を決めている日本は、結果はもちろん、最終予選を見据えた個々とチームのパフォーマンスが注目された。

 森保一監督は前日会見で、6月11日のセルビア戦から先発メンバーを大幅に入れ替え、「(7日の)タジキスタン戦のメンバーを中心に、練習で試して準備したい」と語っていた。送り出された先発の顔ぶれは7人がタジキスタン戦と同じで、GK川島、MF小川、MF坂元、FWオナイウが前回と異なるメンバー。1トップにはオナイウが入り、タジキスタン戦で1トップだった浅野は左サイドに入った。

 森保監督が「個の局面でハードワークしてきて、球際も強いし、セカンドボールへの反応も速い。(今予選の)最初の対戦で一番強いという印象を受けた(※日本はアウェーで2-0の勝利)」と評したキルギスは、3バックに加えて両サイドも低い位置を取り、5バック気味に守備を固めてきた。しかし日本は立ち上がりから両サイドを幅広く使う攻めでゴールに迫ると、25分過ぎに山根の右からのセンタリングをオナイウがヘッドで合わせたシュートを、キルギスDFアイザル・アクマトフが手でブロックしてPKを獲得。これをオナイウが決め、均衡を破った(得点時間は27分)。

 さらに日本はたたみかける。31分、川辺が坂元とのパス交換から一気に加速、右サイドで相手の守備網をドリブルで鮮やかに突き破ってグラウンダーのアーリークロスを送ると、ゴール前でオナイウが押し込んで2点目。さらに33分には小川の左からのセンタリングを、ファーサイドでフリーとなっていたオナイウがヘッドで合わせて3点目を決めた。

 6月11日のセルビア戦で国際Aマッチデビューを果たしたオナイウは、2試合目での初ゴールからわずか6分間でハットトリックを達成。一気に点差を広げて優位に立ったが、戦意の衰えないキルギスも前半終了間際に1点を返す。2019年11月の前回対戦で鋭いドリブル突破から決定機を作っていたMFグルジギト・アリクロフが、右サイドの深い位置からエリア内へと突破を図ると、守田のタックルがファウルとなってPKを献上。このPKを45+1分にFWミルラン・ムルザエフが決め、3-1で前半を終えた。

 タジキスタン戦に続く2次予選2失点目を喫した日本だが、後半も球際の厳しさや素早く切り替える守備を継続し、主導権を渡さない。古橋や浅野が決定機を逃して追加点が遠かったが、68分に佐々木を投入して3バックに移行すると、72分に坂元の右CKを佐々木が高い打点のヘッドで合わせ、代表初ゴールを決めて4点目。さらに77分にはカウンターで攻め込み、古橋のパスから浅野が5点目を蹴り込んだ。

 そのまま5-1で勝利した日本は、8戦全勝で2次予選をフィニッシュ。追加招集のオナイウが結果を出し、川辺が攻守に躍動感あふれるプレーを見せるなど、新しい戦力が力を発揮してチームに収穫をもたらした。森保監督も、PKを与えた前半終了間際の試合運びなどの課題を指摘しつつ、「出場した選手たちは、日本の選手層の厚さを示そう、日本にたくさん良い選手がいるんだということを、それぞれの個の良さを発揮してくれながら、チームとしてのコンセプトも思い切って発揮してくれようとした。素晴らしかった」と称賛した。

取材◎石倉利英