日本代表DF長友佑都が、現在のチーム状態への確かな手応えを語った。今回の活動を通して選手層が厚みを増し、各ポジションの争いが激しくなったことで、さらにチーム力が高まることを確信しているという。

上写真=今回の活動でも健在ぶりを示した長友。それでも競争の激化に危機感があると語った(写真◎JMPA山口高明)

「すごいサバイバルが繰り広げられる」

 国内組が合流してから2週間以上、海外組のみでスタートした5月24日からは3週間という長期にわたっている今回の日本代表の活動も、6月15日のカタールW杯2次予選、キルギス戦で終了する。途中からはU-24日本代表と並行しての活動となったが、練習と試合を繰り返す日々を経て、長友は「ベースはかなり上がっていると思う」と現在のチーム状態を説明した。

 成長を促しているのは、選手層の厚みが増したことによるポジション争いの激化だと捉えている。「いまの日本代表の完成度はすごく高く、U-24もすごく良いサッカーをしていて、かなり強い」と語り、「これから最終予選に向けて競争、サバイバルが、すごく高いレベルでできるのでは」と予測した。

 2008年5月のコートジボワール戦で国際Aマッチにデビューして以降、10年以上も日本代表でプレーしている。長い代表キャリアの中でも「近年まれに見るほどの競争があるんじゃないか。特に中盤や前は、非常にレベルの高い選手たちがいて、みんな調子も良い」とみており、「僕自身も気を引き締めなければいけないし、もちろん危機感は強い。打ち勝っていかなければいけない」と力強く語った。

 ポジション争いだけでなく、チーム戦術の浸透も進んでいるという。「強い相手とやっていないので、見えない部分もある」としながらも「みんなの、いま何をしなければいけないかという意識や、インテンシティ、取られた後のボールを取り返す意識は、相当なレベルで浸透している」との認識を示した。

 また「以前は格下相手だと、それに合わせてしまうことがあったのか」との問いには「相手のレベルにテンションを合わせてしまうことがあった。それが自分たちのメンタル的な弱さだった。相手のペースに合わせて、それに自分たちが飲まれてしまったり」とコメント。内容がいま一つでも「勝てばいいや、という気持ちを持った選手もたくさんいたと思う」と以前を振り返った。

 しかし、いまは「どんな相手でも、勝つことは絶対条件。プラスアルファ、90分間で自分たちに何ができるのか、何を示せるのかが、明らかに意識としてチーム全体に浸透しているし、意思統一できている」と分析。「メンタリティの部分で大きく変わっていると感じている」と自身の見解を述べた。

 活動の締めくくりとなるキルギス戦について「もちろん大事な試合になる。どういうメンバーでいくか分かりませんが、出た選手が活躍することによって、また競争が激しくなる」と予測し、「最終予選に向けて、みんな生き残りを懸けて戦っている。ここにU-24のメンバーが(東京五輪後に)入ってくるとなると、すごい競争、サバイバルが繰り広げられると思っている」と語った。

 さらに「自分自身も危機感を持ってやりたい。と同時に、日本代表はこれから強くなるという自信と確信を持っている」ときっぱり。今後のポジション争いに強い決意を示すと同時に、チーム力アップへの手応えを口にした。