6月7日にFIFAワールドカップカタール2022・アジア2次予選兼AFCアジアカップ中国2023予選のタジキスタン戦でも勝利を収めた日本代表は、次は11日にセルビア代表とのキリンチャレンジカップ2021を戦う。9日に権田修一がオンライン取材に応じた。

上写真=タジキスタン戦でも勝利に貢献した権田修一。しかし1失点を喫し、完封勝利とはならなかった(写真◎Getty Images)

日本人とヨーロッパ人の「個の“意識的な”違い」

 日本代表は6月11日にセルビア代表とのキリンチャレンジカップ2021に臨む。2018年のロシアワールドカップ後は初めてとなるヨーロッパ勢との国際Aマッチを前に、ポルトガルなどヨーロッパでのプレー経験もある権田修一が、日本人とヨーロッパ人のメンタリティーの違いについて言及した。

「ヨーロッパの選手の方が個で打開しようとします。フォワードの選手だったら周りにサポートの選手がいなくても、ボールを収めて、まずマイボールの時間をつくって、あわよくばターンしてそのままゴールへ向かってしまう。そういう個の“意識的な”違いがあると思います。彼らは(ボールを)10回受けて(ドリブルで)2回抜ければ、それが素晴らしいこと。日本だったら8回も失っているって思うのではないでしょうか。そこの感覚としての違いがあるのかなと思います」

 権田の言うように、たとえ少ない回数でも成功したことを称えられるか、あるいは失敗した回数の多さを指摘されるかによって、その選手のプレーの選択は変わってくるだろう。ヨーロッパ人が前者のような考え方を持つのならば、彼らを相手にしたときには特にゴールを守る選手は注意しなければならない。

「シュートにしても(10本のうち)8本は枠外に行ったとしても、2本がいいコースへ行って(ゴールに)入ったら、それで試合は勝てるかもしれません。シュートレンジの広さも、そういうメンタリティーがつながっているのかなという気もします。今回のセルビアにはアピールしたい選手もたくさんいるでしょう。その1本のシュートを決めて、次の代表にも生き残るんだ、というような思いを持つ選手もいるはずです。それはJリーグが悪いとか、ヨーロッパがいいとかではなく、メンタリティーの違いがあることだと思うので、(セルビア戦では)そこにも注意しなければいけません」

 7日に行なわれた2次予選のタジキスタン戦では4-1と白星を挙げながらも、一時は相手に同点に追いつかれるゴールを許した。「(タジキスタン戦で)失点したからこそ、もう1度引き締め直して、(セルビア戦に)集中して入れるのかなという気はしています」と権田は話す。経験豊富な守護神はヨーロッパの強豪国を無失点に抑え、チームの勝利を手繰り寄せる。