吉田麻也、冨安健洋というセンターバックを誇る日本代表だが、この2人だけではない。今回は昌子源、谷口彰悟、中谷進之介が選ばれていて、もちろん、植田直通がいる。ベルギー、フランスでのプレーで得たシビアな経験を還元するために「献身的に戦うのが一番の目標」と話す。

上写真=植田直通はU-24日本代表戦ではフル出場。「弟分」たちにゴールを割らせなかった(写真◎JMPA兼村竜介)

「危ない局面でやらせないのが一番の強み」

「個で勝つことによってチームに勢いをもたらすことのできるのが、センターバックというポジションです」

 植田直通の自分のポジションに対する位置づけとプライドがよくわかる言葉だ。最終ラインのしかも中央に構える自分が1対1のバトルに負けていたら、チームのテンションを下げてしまう。だから、勝ち続けることが必要になってくる。

 今回の活動では、5月28日のカタール・ワールドカップ予選アジア地区2次予選、ミャンマー戦で後半から登場、6月3日、ジャマイカ代表戦が中止になった代替試合のU-24日本代表との試合ではフル出場して、7日の同予選のタジキスタン戦はベンチから仲間の戦いを見守った。

 どの試合でも当然ながらベースは守備。「危ない局面でやらせないのが一番の強みで、それがなくなれば僕の強みはなくなります」と自慢の守備技術でのし上がってきた。ただ、ここまでの3試合は自分たちが「格上」だったから本当の意味で危険なシーンにさらされることはほとんどなく、攻撃の構築には大事な時間になった。もちろん、リスク管理に気を配った上で、攻撃にどのように貢献できるかを模索することになった。強みに、新しい強みを加えるために。

「今回の予選は基本的には押し込む時間帯が多いので、引いた相手にどうやって崩すかということはいままでもあった課題です。センターバックとしても、自分が出ていったときにボールの運び方やつけ方をもっと意識しないといけないなと思っていました」

 センターバックがいかに効果的なパスを出して攻撃をバックアップできるか。それを整理するいい機会になっている。

 今回の活動期間で残るは、6月11日のセルビアとのテストマッチと、ワールドカップ2次予選最終戦となる15日のキルギス戦。「代表に呼ばれる限りすべての試合に出たい」と燃える植田は、まずは骨のあるセルビアとの対戦に思いを馳せる。

「次の試合は出たいと思っています。出た試合では絶対に勝ちたいし、気持ち前面に出さなければと思います。相手がどこであろうとチームのために献身的に働くのが一番の目標です。自分としてもチームとしても、いままでやってきたこと、自信のあることをやっていければと思っています」