日本代表は6月7日に大阪府のパナソニックスタジアム吹田で、FIFAワールドカップカタール2022・アジア2次予選兼AFCアジアカップ中国2023予選のタジキスタン戦を戦い、古橋亨梧、南野拓実、橋本拳人、川辺駿のゴールで勝利。試合後、南野拓実がオンライン取材に応じた。

上写真=試合後、ゴールを決めた左足のスパイクにキスをする南野拓実(写真◎JMPA早浪章弘)

■2021年6月7日 ワールドカップ2次予選兼アジアカップ予選(@吹田/リモートマッチ)
日本 4-1 タジキスタン
得点者:(日)古橋亨梧、南野拓実、橋本拳人、川辺駿
    (タ)エフソン・パンシャンベ

アシストは高校の同級生。「亨梧のクロスが本当によかった」

 3月のモンゴル戦(14-0)、5月のミャンマー戦(10-0)と、最近のワールドカップ2次予選の試合では2ケタ得点を奪って圧勝していたが、この日は一筋縄ではいかなかった。前半早々に古橋亨梧のゴールで先制したものの、直後にタジキスタンに同点ゴールを奪われた。U-24日本代表に合流した最終ラインの吉田麻也と酒井宏樹、中盤の遠藤航、負傷した最前線の大迫勇也がいない中で、これまでとは違う、やや苦しい試合展開。だが、日の丸のピッチにはイングランドでしのぎを削る南野拓実がいた。

 サムライブルーの10番を背負う“エース”が決勝ゴールを決めたのは、前半終了間際の40分だった。興國高校(大阪)出身の同級生でもある古橋からのクロスボールに飛び込み、左足で合わせて勝ち越し点を奪った。「あのとき、(クロスに合わせる場所は)ニアサイドだと感じました。亨梧(古橋)のクロスが本当によかったし、ああいった一瞬の隙を突けたのもよかった」と、自身のワールドカップ予選7試合連続ゴールを振り返る。

 南野が挙げたチーム2点目で勝ち越して試合を折り返した日本は、後半に2点を追加してタジキスタンを突き放した。4-1という最終結果を呼び込んだ南野のゴールの価値ははかり知れないだろう。「僕自身、前半はチャンス(の数)はそんなに多くなかったけれど、その中であのようにクロスでニアに飛び込むとか、こぼれ球とか、ペナルティーエリア内での“鼻が利く”プレーがゴールにつながるんじゃないかという感じはしていました」と南野は語る。それは、これまでのキャリアの中で研ぎ澄まされた“ゴールへの嗅覚”とも呼べるだろう。

「個人的にはチームの攻撃のスイッチを入れることとか、サイドの選手とフォワードの選手とで良い距離感を取って、もっと攻撃にアクセントをつけたりとか、そういうところを意識はしていたけれど、試合の状況的にそれらがうまくいかないことが多かった。その中で(スコアが)1対1になってしまいました。自分の感覚的にはそれらのプレーも重要だけど、ゴール前でのイレギュラーなボールになるべく速く反応して、どんな形でも1点を取ることがこういう戦いでは絶対に重要になってくると感じていました」

 まさに、ナンバー10の機転が生んだ決勝点。勝つための術を知る南野拓実がいる限り、サムライブルーの強さは揺るがない。