日本代表の坂元達裕が5日、オンラインで取材に応じた。3日のU-24代表との試合で途中出場したものの、Aマッチではないため、キャップは記録されず。だが、刺激的な日々を過ごしており、残る6月の3試合で『真の代表デビュー』を目指す。

上写真=3日のU-24代表との試合には62分から登場。坂元達裕は約30分間プレーした(写真◎JMPA兼村竜介)

練習で守田さんと対峙して球際が全然違うなと

 坂元にとっては今回が初めの代表活動だが、デビュー戦はキャップの記録されないチャリティーマッチになった。ジャマイカ戦が中止となり、代わって開催されたU-24代表との試合に後半途中から出場した。62分に大迫勇也に代わってピッチに入り、アディショナルタイムまで合わせておよそ30分間プレー。代表初陣の感想を求められた坂元は率直に語った。

「なかなか攻撃の時間がつくれなくて、守備に回る時間も多くなった中で、自分の良いところをもっともっとアピールできればよかったですけど、まだまだ足りないところたくさんあった。練習から次に向けてしっかりやっていきたいと思います」

 初めて「代表で挑戦する場をもらった」にもかかわらず、「力強く、結果を残すという強い思いを前面に出せなかった」という。坂元は与えられたチャンスに結果を残さなければ、次はないチャレンジャーという立ち場。そのことを分かっていながらも、初陣で持ち味を出せなかったと悔やんだ。

 ただ、6月シリーズはまだまだ続く。7日にタジキスタン戦(W杯アジア2次予選)、11日にセルビア戦(キリンチャレンジカップ)、そして15日キルギス戦(W杯アジア2次予選)と実戦の場は3度ある。アピールするチャンスが残されているのだ。3日のU-24代表との試合前には森保一監督に「チャンレンジして来い」と背中を押されたという。指揮官の期待に応えるためにも、次こそは、の思いは強い。

 坂元が自らの力をしっかり出したいと考えるのは、代表でプレーすることに改めて魅力を感じたからかもしれない。「正直、最初はびっくりしました」と振り返るほどに代表の練習は強度が高く、プレッシャーのスピードも「今まで感じたことがないほど速かった」。その一方で「この中でプレーできるようになれば、自分はもっともっと上に行ける」と思ったという。代表に選ばれ続けることは、すなわち自分が成長するということ。

「海外組の選手を中心に全員がスピード感がある。守田(英正)さんとか練習の中でマッチアップする場面があるんですけど、球際の強さは全然違うな思いました」

 刺激的な毎日を過ごす中で、代表への思いが確実に増している。自身を成長させる場所に居続けるためには「サイドの選手は圧倒的なスピードを持っている選手が多いですけど、自分はそこまでスピードあるタイプではない。なので自分の良さを出すためにまずは落ち着いてプレーすることが大事だと思っています。その中で一番良い選択肢を選び、ゴールに直結するプレー増やせれば」と、効果的なプレーが必要だと自覚する。

 7日のタジキスタ戦に出場すれば、正式に代表キャップ獲得となる。W杯予選という公式戦で『真の代表デビュー』なるか。そして坂元達裕という選手の存在を満天下に知らしめることができるか。

「ミスを考えずに自分のプレーを出すことが大事」

 次は自分を解放する。つまりはゴールに絡むと、誓った。