ジャマイカ代表戦が中止となり、急きょ決まったU-24日本代表戦に向けて、A代表の主軸を担う南野拓実がオンラインで取材に応じた。「楽しみだなという気持ちが一番ですね」。いまだかつてない対戦は今日3日、19時30分に札幌ドームでキックオフされる。

上写真=U-24日本代表との対戦を「楽しみ」だと語った南野拓実(写真◎サッカーマガジン)

こんな試合は今後もないでしょう

「こんな機会は今後もないでしょうし、色んなことがあって、こういうことになりましたけど、U-24の選手たちも必死にプレーしてくると思います。僕たちも勝利にこだわってプレーしたい。真剣勝負になると思うので、楽しみだなと思います」

 A代表対U-24代表。注目の兄弟対決に向けて、南野は率直な思いを口にした。

「お互いに選手の特徴を分かっているという部分で、メリットもデメリットもあると思っています。でも、U-24のオーバーエイジ(OA)の選手たちはチームに合流して1試合目。個人能力はもちろん高いですけど、チームとして、という部分では僕たちの方が有利なのかなと思っています。こちらもJリーグの選手たちが入ってきて1試合目で、お互いに似た部分はあるんですけど。まあ、OAの選手とはお互いにやりにくさはあるのかな」

 U-24代表チームは中1日でU-24ガーナ代表との試合(5日)を控えており、OAの選手たちがA代表との試合に出場するかは分からないものの、対戦する可能性について聞かれた南野は「やりにくさ」を認めた。とはいえ、チーム完成度という点では長く一緒にやってきた選手たちが多いA代表に分があると話す。

「U-24はこの試合のせいですごくタイトになるし、五輪までケガは絶対したくないと思います。でも、この試合は五輪へのアピールになるだろうし、直接、A代表へのアピール機会になるので、彼らの気持ちとしてはモチベーションという部分ではすごく高くやってくると思っています。僕たちもやっぱりA代表として負けられない試合だと感じています。だから本当に、本気の試合になるだろうなと。僕たちがそうなので。難しさややりにくさはもちろんありますが、試合はお互いに本気になると思う。その中でケガなくやれればいいと思っています」

 今回の試合は、急きょ組まれたもの。そもそも試合が予定されていたA代表は試合の準備を進めていた中で対戦相手が変わっただけという言い方もできるが、U-24代表は前述の通りガーナ戦の前に急に差し込まれた形だ。難しさは当然ある。とはいえ、相手の状況を踏まえつつも、全力で勝ちにいくことを強調した。先日のミャンマー戦(5月28日)でW杯アジア最終予選進出を決め、この6月シリーズの4試合で最終予選に向けて強化を図る狙いがある。その1試合目として、南野はU-24代表戦をしっかり次につながる試合にしたいと語った。

「最終予選まで、6月の4試合しかない。ここでしっかりプレーしたい。前回も海外組の選手たちだけでしたが、チームとしての理解を深めるだったり、試合の中で攻撃での味方の距離感だったり、守備ではコンパクトにという部分というのを共有することが大事だと感じていました。今回、Jリーグの選手たちともそういう部分を理解し合って、チームとしての完成度を高めることが最終予選に向けて重要な部分だと思っています」

 U-24代表戦は、チーム完成度を高める意味で極めて重要だ。

「僕だけじゃなく、A代表の選手は絶対にレベルを示さないといけないと思うし、そういうプライドを見せないといけない。絶対に負けたくないなと思います」

 A代表の誇りを示し、カタールW杯を目指すチームのレベルも見せる。南野は、本気だ。