日本代表のMF原口元気が30日、オンラインで取材に応じた。ミャンマー戦は6点のリードを奪っていた62分から登場したものの、目に見える形で結果を残すことができなかった。ただ、6月には4試合の試合が組まれている。その力をアピールするつもりだ。

上写真=日本代表でのポジション取りに意欲を見せる原口元気。写真は合宿2日目(写真◎サッカーマガジン)

オプションがあれば変化を加えられる

 原口元気は、2018年のロシア・ワールドカップで8強進出をかけて戦った、あのベルギー戦を経験している。あれから3年弱。ここまでの日本の歩みについて、どう感じているのか。

「右肩上がりに成長できていると思います。最近は強い相手とできていないので、本当の部分で力試しはできてはいないですけど、アジアの国に対しても今できることはできていると思います。1点を取ってもすぐにプレッシャーをかけて2点目、3点目を取りに行くことができています。最終予選を見据えても、僕たちが主導権を握る試合が増えると思うので、その中でどう相手を崩していくかという意味でのバリエーションは増えてきている。この2試合(3月のモンゴル戦、ミャンマー戦)に関しては、韓国戦もそうですけど、それが出ていると思います」

 コロナ禍のために2020年の活動は10月、11月の欧州遠征だけとなったが、日本代表は着実に歩みを進めているというのが原口の見立て。昨秋に3バックを試し、先日のミャンマー戦では試合途中から4-3-3にトライ。戦い方の幅を広げ、柔軟に戦えるチームとなるべく、強化を進めている。そして原口は、その手応えを感じているという。

 対応力やゲーム中の修正力はベルギー戦で逆転負けを喫したあと、そして2019年のアジアカップ決勝のカタール戦で敗れたあとにも、日本代表に必要なものとして強調された要素だ。
 
「3バックを含め、何個かオプションがあると相手に合わせられると思いますし、自分たちよりも強い相手に対して変化を加えられるのは出来が悪い試合になったときに大事だと思う。そういう細かい部分で勝負が決まる試合がこれから増えていくと思うので、色々使い分けて、色んな選手が出て、色々なバリエーションがあるのはいいこと。増やしていければと思います」

 チームが戦い方の幅を広げている中で、原口自身もプレーの幅を着実に広げている。かつては典型的なサイドアタッカーだったが、所属するハノーファーでは中央エリアでプレーし、攻撃をけん引した(来季はウニオン・ベルリンでプレー)。3月の2試合、そしてミャンマー戦でも日本の2列目の構成は左に南野拓実、トップ下に鎌田大地、右に伊東純也だった。この3人が現時点のファーストチョイスと思われるが、ポジションを取るために、6月シリーズでしっかりアピールしたいと話す。

「正直な話、(3人の構成は)非常にいいと思っています。拓実が中と外を使い分けながら賢くプレーしている」

「僕は所属チームでは真ん中が多く、正直、サイドではほぼ2シーズンプレーしていないですが、代表ではサイドというところで、若干求められるものが変わる。うまく適応しながらやらなければいけないと思っています。でも元々、典型的なサイドハーフだったので、できる部分でもありますし、中でもプレーできますが、拓実よりもサイドでの良さというのも出していけるかなと思います」

 ここから2週間あまりの間に、2次予選2試合と親善試合2試合の計4試合を戦う。合宿期間も含め、自らがロシアW杯以降に獲得したプレーの幅と、サイドでのスペシャリティを示す絶好のチャンス。

「今回は試合数も多い。僕自身、ポジションを取りにいきたいと思います」

 チームを勝利に導くプレ―をするのは当然。その中で原口にしか出せない色をしっかり出すつもりだ。