昨年11月以来の日本代表のピッチに立ったのが橋本拳人。5月28日のカタール・ワールドカップ2次予選、ミャンマー戦で途中から出場してアンカーのポジションに入り、森保一監督の意図を表現してバランスを保った。

上写真=橋本拳人は69分からのプレー。アンカーに入ってインサイドハーフへの供給役を担った(写真◎山口高明)

「4-1-4-1になったら攻撃的なのかな」

 橋本拳人の日本代表10試合目は、69分からの登場となった。5月28日、カタール・ワールドカップアジア地区2次予選のミャンマー戦。すでに7-0と大差がついていて、ピッチ内の選手の配置も4-2-3-1から、森保一監督の表現を使えば4-1-4-1にシフト。橋本には、4と4の間に立つアンカーのポジションが与えられた。

「監督からは、バランスを見て良いサポートをして、判断を早くプレーしてほしいと言われました。アンカーでは久しぶりでしたけれど、もともとそういうプレーが持ち味だったので違和感なくやれました」

 中央とサイドのバランス。攻撃と守備のバランス。その両方を意識していた。

「中から行けるときは中から攻めようと話していましたし、それで外が空いたら外を使うということは共有できていました。中から行って奪われたときにはピンチになりやすいので、切り替えの速さもしっかりできていました」

 現在所属するロシアのロストフではインサイドハーフでプレーしているが、FC東京時代には4-3-3のアンカーとしてチームの軸になっていたから、その役割も難なくこなす。

 ポイントに置いたのは、「代表ではインサイドハーフというか前めでやるイメージはないので、アンカーや後ろでプレーすることを考えて、バランスを見てどう機能するか」ということ。「4-1-4-1になったら攻撃的なのかな」というのがミャンマー戦で戦った実感で、「前に1枚、人数を増やしてインサイドハーフが前を向いてチャンスを作れるかを意識しているのかなと思っていました。だから、インサイドハーフの2枚にいい状態でボールを預けることを意識しました」。

 先発のボランチのコンビは遠藤航と守田英正だった。橋本はベンチからその動きをしっかりと見て研究していた。

「2人ともいい選手ですし、いいバランスでプレーできていると思います。自分が入ったときにどうプレーしたらいいのかを見ていますし、誰と組んでも自分の良さを出して相手の良さを引き出したいと思います」

 遠藤はU-24日本代表に合流するために日本代表を離れた。そうなると橋本と守田のコンビが楽しみになるが、2人に共通するのは日本ではアンカーでプレーしていて、ヨーロッパに渡ってからより攻撃的なポジションで起用されることで得点力が花開いていることだ。つまり、どちらも厳しく守った上で、ゴールに直結するプレーができるという魅力がある。

「もともと技術が高くて切り替えが早くていい選手だと思っていました。得点が取れるようになっていて、攻守両面に効くプレーに刺激を受けています」

 というのが守田への印象。

「常にバランス良くプレーしたいです。お互いにゴール前に入っていけますし、ボックス・トゥ・ボックスでプレーできます」

 コンビを組めば、代わる代わる飛び出してゴールに迫っていく姿が想像できる。