日本代表は28日、W杯アジア2次予選でミャンマーを10-0で破り、最終予選進出を決めた。先制ゴールを含む2得点で勝利に貢献したのが南野拓実だ。左サイドハーフで先発し、攻撃をけん引。存在感を示した。

上写真=2ゴールで勝利に貢献した南野拓実(写真◎山口高明)

■2021年5月28日 ワールドカップ2次予選兼アジアカップ予選(@フクアリ/無観客)
日本 10-0 ミャンマー
得点者:(日)南野拓実2、大迫勇也5、守田英正、鎌田大地、板倉滉

W杯予選6戦連発も通過点

 大勝を導いた立役者の一人だろう。4-2-3-1の2列目、左サイドハーフとして先発した南野は、前線でボールを引き出し、相手の守備陣を翻弄。スペースを見つける能力とそのスペースを活用する能力に優れ、トップ下の鎌田大地、1トップの大迫勇也と連動して攻撃をリードした。大迫の5得点には及ばないものの、南野も2得点をスコア。そして何より、重要だった先制点をスコアした。

 吉田麻也の縦パスが鎌田に入った瞬間、南野はすでに動き出していた。鎌田からダイレクトパスを受けるとドリブルでボール運び、相手CBが寄せてきた瞬間に再び中央の鎌田にパス。そのまま食いついたCBが空けたスペースに走り込んでリターンパスを受け、ボックス内に進入。GKの触れない場所へと右足のアウトでボールを蹴り込んだ。

「今日の試合でポイントになるのはどれだけ早く先制点を取れるかだと思っていました。自分は攻撃の選手なので、そこに何とか絡もうと思っていて、自分で(ゴールを)取れることができたのでよかった。そのあとは、前回の試合(モンゴル戦)でもそうだったんですが、相手が少し崩れることがあるだろうと予想していました。チームとしては90分通して、最後までゴールに向かってプレーできたのはよかったと思います」

 結果的には10-0と大勝することになったが、南野が記録した先制点がチームを乗せることにつながった。ブロックを敷き、引いて守る相手を鮮やかコンビネーションで破ったという意味でも価値あるあるゴールになった。3月シリーズに続いて今回も鎌田との好連係が光った。

「相手のボランチとCBとサイドバックの間のスペースを僕ら二人はうまく使うタイプ。外から僕が入るのか、中から大地が入ってくるのか。動きが重ならないように。サコくん(大迫)も含めてそうですけど、ワンタッチとかツータッチでパスを交換してゴールに向かえるようにと話していました。後半はシステムが変わって2シャドーみたいな感じで僕ら2人とも、サイドのスペースを使ってうまく仕掛けていく部分でもよかったと思います」

 南野が指摘した通り、連係の深まりを感じさせるゲームになった。61分には自身のこの日2点目、チームの7点目を記録。素早い攻守の切り替えで遠藤航がボールを奪い、大迫からのパスをゴール正面で受けた南野が見事なタッチでボールを収め、相手DFを交わし、GKの動きを見極めて冷静に決めた。

 この日のゴールで南野はW杯予選6戦連発。森保ジャパン発足後、最多の通算15点目を記録した。その数字はナンバー10の面目躍如だが、本人はこれからが重要だと強調する。この日見せたコンビネーションを最終予選でも、さらにその先の本大会でもしっかり出せるようにしたいと話した。その志もまた、ナンバー10にふさわしいもの。まずは6月の4試合で連係をしっかり磨き、最終予選への準備を進めていく。