日本代表MF久保建英が苦しいシーズンを経て、代表での活躍を期している。ビジャレアルへの期限付き移籍を「失敗」と振り返りつつ、ヘタフェの残留に貢献したシーズン終盤や、A代表でのプレーについて語った。

上写真=3月はU-24日本代表でプレーした久保。今回の活動はA代表からスタートする(写真◎小山真司)

ヘタフェで1部残留に貢献

 レアル・マドリード(スペイン)からビジャレアル(スペイン)に期限付き移籍した今季序盤、ヨーロッパリーグでは先発出場のチャンスがあったものの、リーグ戦では控えスタートが続いた。結局、シーズン途中の今年1月に契約を打ち切ることになり、「全くの結果論ですけど、チーム選びから失敗してしまって、その結果、1年間苦しいシーズンになった」と振り返った。

 さらに「結局スタメン争いに負けたということもありますけど、自分が思っていた状況とは違った、というのが本音」とコメント。成長につながる出場機会を得られなかった現実を「いろいろな話がある中で、ビジャレアルが一番いいと思って選んだけれど、行ってみたらちょっと違った。自分の選択が間違いだった」と語り、「自信を持って行ったので、結局は至らないことがあったというだけなんですけど、見誤ったというか、総合的な部分を含めて、自分の選択が失敗だった」と説明した。
 
 新たに期限付き移籍したヘタフェ(スペイン)でも出場機会に恵まれない時期があったが、最後に意地を見せた。残留争いの渦中で迎えた第37節のレバンテ戦、1-1の状況で75分から途中出場すると、84分に左足でミドルシュートを決めて今季リーグ初得点を挙げ、2-1の勝利と1部残留に貢献した。

 試合前には「一発逆転のチャンスがあるとしたら今日だぞ、と自分に言い聞かせて、しっかり準備していた」という。「自分のところにボールがこぼれてきたときには『あ、もしかしたらあるかな』と思った」そうで「最後にしっかり点を決めて、せめて良い形で終われたのはよかった」と心中を明かした。

「波に乗らないと終わりというか、どんどん取り残されていく。(得点が)ゼロで終わるのか、1で終わるのかで全然違った」という締めくくりを経て帰国し、代表の活動がスタート。5月28日にA代表でカタールW杯2次予選のミャンマー戦に臨んだ後は、U-24日本代表に移る。東京五輪を控えたチームの方が注目度は高くなりそうだが、「まずはA代表の一員としてやるべきことをやって、終わった後にU-24のことを話せれば」とコメントした。

 A代表の定位置は確保していない状況を踏まえて「追う立場だと思うので、その人たち(レギュラー)とは違った自分の強みを見せていけたらと思うし、観察しながら、俺だったらこうする、もっとできるな、といったイメージを膨らませる」と語る。ただし「膨らませるだけなら誰でもできる。あとは試合で出していくのが大事」と自分にハードルを課し、「チャンスをもらえれば、その中で結果を残すのが一番。自信を持ってやれると頭に入れておきながら、良い形で試合に臨めるように最善の準備をする」と力強く言った。