日本代表DF冨安健洋が、5月26日の練習前にオンライン会見に臨んだ。イタリアでの2シーズン目を終え、守り方などでギャップを感じていることを明かしつつ、東京五輪への熱い思いも語っている。

上写真=帰国してA代表に合流した冨安。1試合を終えるとU-24日本代表に移る(写真◎BBM)

オーバーエイジの3人は「頼りになる先輩」

 アビスパ福岡、シントトロイデン(ベルギー)を経て加入したイタリアのボローニャで、2シーズン目を終えて帰国した。セリエAで12位というチームの結果は「妥当な位置だと思っている」としたものの、自身については「簡潔に言えば良いシーズンではなかったと思う。1シーズン目も良いシーズンとは思っていないですが、なかなか難しいシーズンだった」と振り返った。

 今季はセリエAで38試合中31試合に出場。「傍から見れば、しっかり試合に出て、良いシーズンだったと思われるかもしれないですが、ずっと悩みながら」プレーしていたという。「自分の良さが生きるやり方、自分のスタイルを日本やベルギーである程度、蓄えてきた上でイタリアに来て、僕の考えと違うこと、違う戦術で、型にはめられた状態でプレーしている感覚がずっとあった」と明かし、「(シニシャ・ミハイロヴィッチ)監督から求められるやり方と、僕が思う、僕のやりやすいプレーとのギャップに苦しみながらやっていた」と吐露した。

 具体的には、守備の際のマンツーマンで「相手陣内ならいいと思いますが、自陣でついていき過ぎて、スペースが生まれてしまって、ということが、かなりあった」などの難しさがあったと説明。自分の周囲だけでもと、ついていき過ぎないように指示を出していたそうで、このあたりはビッグクラブへのステップアップも期待される来季以降、ポイントになるかもしれない。

 ただ、その前に代表での活動だ。今回は5月28日のカタールW杯2次予選・ミャンマー戦の後はU-24日本代表に移り、東京五輪への準備を進めていくことになる。

 A代表の主力だけに、当然こちらでは中心選手として期待が集まる。「まずはしっかり自分のプレーをすることで、チームに貢献することが大事だと思う。かなり久しぶりのU-24での活動なので、練習でいかに連係を高めることができるか」と語り、「感覚のところで1秒、1メートルのズレは感じると思うし、チームが変われば当たり前のこと。細かい修正はオリンピック前にしっかり終わらせることが必要」とイメージを膨らませた。

 A代表でもセンターバックでコンビを組むDF吉田麻也をはじめ、DF酒井宏樹、MF遠藤航がオーバーエイジで加わった。「本当に頼りになる先輩。ピッチ内はもちろん、ピッチ外でも若い選手に良い影響を与えてくれるんじゃないか」と期待を寄せ、ピッチ上の連係についても「うまくいくと思う。僕も含めて周りに声を掛けながら、オリンピックまでに完璧な状態に、より近くできれば」と言葉に力を込める。

 頂点を目指す地元での大舞台。「しっかりメンバーに選ばれて、選ばれた選手たちとオリンピックまでに、いかに良いチームになれるか」と今後を見据え、「森保さん(森保一監督)も金メダルを目指してやると言っていますし、僕ら一人ひとりも、その気持ちを持っている」と決意を新たにしていた。