日本代表の遠藤航が25日、オンラインで取材に応じた。今回の活動では28日のミャンマー戦を終えた後、U-24代表にオーバーエイジ(OA)として合流し、東京オリンピックに向けた強化試合に臨む。所属するドイツのシュツットガルトで評価を高めたこの1年を振り返るとともに、五輪本大会への熱い思いを語った。

上写真=A代表でもU-24代表も攻守の中心として期待させる遠藤航(写真◎小山真司)

五輪に2回出られると思わなかった

 1年間、ブンデスリーガ1部のシュツットガルトで戦い、デュエル勝利数(ボールの争奪戦)でリーグトップの成績を残した。476という数字は、2位のビーレフェルトのファビアン・クロスが記録した464よりも12回も多く、3位のボルフスブルクのサベル・シュラーガーとアウフスブルクのダニエル・カリジュリの428を大きく引き離す堂々たる記録だ。初めてのブンデスリーガ1部でプレーするにあたり、遠藤は「守備の1対1でどれだけ勝てるか」を意識してシーズンに臨んだという。

 果たして、その「心構え」が結果に結びついた。デュエル勝利数というデータがクローズアップされるようになってからは、さらに強く意識して1対1に臨み、ピッチで存在感を示した。「(リーグ1位の記録を)達成できたことはうれしいし、そうやって意識したからこそ達成できたとも思っています」。自身のプレーについては「迷ったら行かない選択にしていたところを、迷ったら行くことにしました。それからは自分の間合いとか、奪える距離の感覚がついた。チーム戦術的な面もありますが、個人的に奪う感覚は洗練されたと思います」とこの1年で自信を深めることになった。デュエルキングの称号は、思考と実践がしっかりリンクし、結果に表れて手にしたものだ。

 ブンデスリーガ屈指のボランチは、日本代表でも不動の地位を築きつつある。昨秋のヨーロッパ遠征、そして今年3月もボランチとして躍動した。文字通り攻守の要となり、東京オリンピックに臨むU-24代表にも3人のオーバーエイジの一人として加わることになった(他2人は吉田麻也と酒井宏樹)。今回の代表活動でも5月28日のカタールワールドカップアジア2次予選のミャンマー戦にはA代表として臨むが、以降はU-24代表チームで活動し、親善試合を戦う。

「OAに選ばれたことは光栄に思います。個人的にはまさかオリンピックに2回出られるとは思っていなかったですが、自国開催の東京大会に出られるのは、うれしい。もちろんOAで参加するプレッシャーと責任を感じていますし、本大会ではOAの選手としてしっかり責任を果たさないといけないという強い思いでいます」

 遠藤は2016年にキャプテンとしてリオデジャネイロ・オリンピックを経験している。アジア予選を制して臨んだ大会で決勝トーナメント進出を期待されたが、初戦でナイジェリアに4-5と競り負け、続くコロンビア戦は2-2と引き分けた。最後にスウェーデンを1-0と破ったものの、1勝1分け1敗でグループ3位となり、ネクストステージに進むことができなかった。そのときの経験をU-24代表チームに還元したいという。

「重要なのは、やっぱり初戦になりますかね。そこで勝てるか、最低でも勝ち点1を取れるかが大事になってくるとは思います。ただ、予選グループ3試合の中で、本当に突破できるかどうかというのは、たとえ初戦を落としたとしても、メンタル的な部分で落ちないかどうか。その重要性をリオ大会では感じたので。OAとしてできることというのはメンタル的な部分でのチームの支えになることもあると思っています」

 東京大会では、リオ大会と同様に初戦でアフリカの国・南アフリカと戦う。そして2戦目で中南米の雄メキシコ、3戦目でヨーロッパの強豪フランスと対戦。リオでの経験が生かせるカードとスケジュールと言えるかもしれない。

「チームとしては自国開催でやれるので、結果を残さないといけない。メダルを取る覚悟でやらなければいけない。そこはチームとして目指さなければいけないし、個人としてはブンデス1部でしっかり戦う姿を見せられたので、それをシンプルに落とし込むだけだと思う。球際の部分で、自分がボランチとして出場すれば、どんな相手でも、しっかりと守れるというところを示したい」

 日本が誇るデュエルキングはU-24代表に自分のすべてを注ぐつもりだ。もちろん、その先にあるアジア最終予選とカタールW杯も見据えて。