今季オランダでリーグ戦フルタイム出場を果たしたMF板倉滉が、確かな自信を胸に代表活動に臨む。来季以降のステップアップも見据えながら、A代表、さらには東京五輪を控えるU-24日本代表での活躍を誓った。

上写真=充実したオランダでのシーズンを終えて代表に合流した板倉(写真◎BBM)

「誰が見ているか分からない」

「全試合にフル出場できたのは大きなポイント。シーズン前から目標にしていたので、達成できてよかった。ケガなく毎試合プレーできて、すごく充実感がありました」

 5月25日の練習前に行なわれたオンライン会見の冒頭、板倉はフローニンゲン(オランダ)でのプレーを満足げに振り返った。今季はセンターバックのレギュラーとしてリーグ戦全34試合にフルタイム出場。「細かいところを挙げれば(成長したところは)たくさんあります。1年間、試合に出させてもらって自信になった」という手応えを得たシーズンとなった。

 2019年1月に川崎フロンターレからマンチェスター・シティ(イングランド)に完全移籍し、すぐにフローニンゲンへ期限付き移籍して、2年半で確固たる地位を築いた。フルタイム出場につながったコンディショニングに関して「特別にやったことはない」と語る一方、フィジカル面は「ヨーロッパに来た当初と、いまとでは全然違う。体も確実に強くなっている」とコメント。「もっと強くしないと、上のレベルでは通用しない」としながらも、さまざまな点において着実に成長していることをうかがわせる。

 大きくてスピードもあるエールディビジのアタッカーたちと対峙する上で「いろいろな特徴を持った選手がいるので、まず1対1で負けないこと。相手の強みをなるべく出させないように守備をすることを毎回、意識している」と明かす。守備の動き方は細かく指示されていたそうで、「しっかりやりつつ、相手の特徴を出させないように」という働きを心がけてきた。

 来季以降に向けて「上のクラブでやりたい。この経験を踏まえて、さらに自分がどれだけできるのかを試す、いいタイミングだと思っている」と野心を隠さないが、その前に代表の活動がある。5月28日にA代表でカタールW杯2次予選のミャンマー戦を戦った後は、U-24日本代表に移って親善試合2試合が控えており、「誰が見ているか分からない。いつもチャンスだと思いながらやっていきたい」と意気込む。

 U-24日本代表では、3月の活動でボランチでもプレーしている。間近に迫った東京五輪に向けて「自分が引っ張っていかなければいけないという自覚を持っていますし、自分が活躍しなければいけないという気持ちもある」と意欲十分。ただし、まずは「目の前の試合、ミャンマー戦にフォーカスして、良い状態を作っていければ」と28日に意識を向けていた。