守田英正との新コンビ、4-3-3のテスト布陣。日本代表の3月シリーズ、韓国戦とモンゴル戦でで遠藤航と仲間たちが手にしたものはいくつもある。世界で勝つためにピッチで戦う背番号6の視点。

上写真=2試合フル出場の遠藤航。モンゴル戦途中からキャプテンマークも巻き、新布陣のテストも上々だ(写真◎小山真司)

■2021年3月30日 ワールドカップ2次予選兼アジアカップ予選(@フクアリ/無観客)
モンゴル 0-14 日本
得点者:(日)南野拓実、大迫勇也3、鎌田大地、守田英正、オウンゴール、稲垣祥2、伊東純也2、古橋亨梧2、浅野拓磨

4-3-3は「すごくプラスに考えています」

 森保一監督は5-0で折り返した後半、ボランチの守田英正に代わってFW浅野拓磨を投入した。ワールドカップ 2次予選のモンゴル戦。前半は5日前の韓国戦と同じ4-2-3-1の布陣で、ハームタイムのこの交代によって中盤の底を遠藤航一人に託し、浅野を左サイドに配置した。

 1トップの大迫勇也の下に鎌田大地と南野拓実を並べ、右の伊東純也と左の浅野がウイングとなって自慢の快足でサイドを切り崩す。

「チームとしてオプションを増やすという意味では、自分がワンボランチで、大地と拓実と2シャドーというのもすごくプラスに考えています」

 ピッチでの感触を明かすのは遠藤だ。

「相手によっていろいろ変えながらできるのはいいと思うし、大地と拓実、お互いにトップ下でポジション争いをしている中で、少し形を変えて、2人が同じピッチに立ってああいう形をできたというのは、チームにとってプラスになると思います。2ボランチでやるときも含めて、中盤の選手はポジション争いがすごく熾烈になってきたなという感覚はありますね」

 結果的に14-0という歴史的圧勝になっても、大味な試合にならなかった。選手たちの戦い抜くという強い意志と、テストへのトライがポジション争いの危機感を刺激したからだ。

 森保監督もこの新スタイルについては、概ね前向きだ。

「4-1-4-1というか4-3-3というか、2シャドー、インサイドハーフというか、大迫の1トップに2人のシャドーは使えると思います。その形を試せたのは、新たなオプションができることになったというふうに私自身思っていますし、選手の感覚の中にも、また新しいことがオプションとして持てたと思ってくれていると思いますので、今後の引き出しにしたいと思います」

守田とは「個人的にもやりやすかった」

 遠藤はフィールドプレーヤーで唯一、2試合にフル出場。モンゴル戦で吉田麻也が交代した後はキャプテンマークも巻いた。そんな厚い信頼を受けたこの3月シリーズで大きかったのは、新しい相棒、守田との関係を深めたことだろう。韓国戦では86分間、この日は45分間のコンビだったが、守田がモンゴル戦で代表初ゴールを記録するなど、実りある時間になった。

「ボールを持って見ているところも非常にいいし、今日は点を取ったり、前に入っていけるようなところも海外に行ってさらに出せていて、運動量もある。だから、個人的にもやりやすかった」

 今回の韓国は予想ほど骨がなく、モンゴルとは実力差がありすぎた。手放しで喜ぶほどではないものの、新コンビの試運転としては上々だった。

「守備のところでも、自分のところと彼のところでしっかりボールに行けるのはバランス的にもすごくいいと思っています。お互いにうまくバランスを取りながら、どっちが前に出るのか、というのは、ポジションを見ながら、立ち位置をお互いに変えてやれたので、よかったと思います」

 ワールドカップ最終予選、そして本大会を見据えれば、このコンビの守備力はチームの大きなコアになるはずだ。本当の力が試されるのはこれから。守田とのコンビも、4-3-3も磨き抜くところはたくさんある。