30日、日本代表はモンゴル代表とカタール・ワールドカップのアジア2次予選で対戦する。GK権田修一は25日に行なわれた日韓戦(国際親善試合)で国内組のポテンシャルの高さを実感したという。3月シリーズでの自らの役割について、そしてモンゴル戦への意気込みを語った。

上写真=海外組と国内組、どちらの立場も知る権田修一(写真◎JFA)

国内組が『お客さん』にならないように

 今季、ポルティモネンセSCから清水エスパルスに期限付きで加入し、3年ぶりにJリーグでプレーする権田修一には一つ確信があったという。それは国内組のレベルは、日本代表で活躍できる水準にあるというものだ。

 実際の対戦や、試合前の分析等でこれまで以上に日常的にJリーグの選手たちの映像を目にする機会がある中で、現在のJリーガーのポテンシャルの高さを実感し、権田は「本当に良い選手が多いな」と感じていた。だからこそ今回の3月シリーズでは自身の役割として、そういう選手たちが力を発揮できるように心を砕いている。

「代表に来て、言い方が悪いですけど『お客さん』みたくなってしまって、ちょっと力が出せませんでしたとならないように。ヨーロッパ組と同じ食事会場ではないので、そのぶん、Jリーグの選手たちでいる時間が長い。だから『どうだった今日?』とか『どういうふうに感じた?』と聞きました。そうすると、けっこうみんな『刺激的です』と言うんですが、『大丈夫、大丈夫。みんな技術があるから。最初はびっくりするけどすぐに慣れるから』という感じで(答えて)。Jリーグでプレーしている選手たちも、僕はできるという確信があったので」

 そしてその確信は日韓戦で現実のものとなった。先制ゴールを挙げたのは、川崎フロンターレに所属する山根視来である。

「山根選手がああいう活躍をしましたし、途中から出たJリーグの選手たちはみんな本当に『初めての招集なの?』という雰囲気を出すくらいだった。みんな能力は高い。そういうふうに力を出せるように、というのは普段から意識していました。というのも僕が若いときに、自分では思っていなかったですけど、お客さんな感じというのもあった。いま考えるともっとやらなければいけなかったなと思うところがある。自分が犯してしまったミスを伝えながら過ごしました。みんなが絶対にチームの力になってくれると思ったので。その意味があったのか分からないくらい、みんなが高いレベルでやってくれたと思います」

 権田が、陰になり日向になり国内組をサポートしたことが無駄だったはずがない。先に代表でプレーする先輩ならではの振る舞いであり、海外組として代表で活躍してきた経験者としての的確なアドバイスと行動だろう。

 今日30日のモンゴル戦については「代表戦に大きい小さいはないと思っています。日の丸をつけてプレーするということで、どの試合であっても、みんな本当に高いテンションで、親善試合だろうが予選だろうが臨むと確信しています。こうしてまた代表活動に参加できて、そういうところの意識が高いというか、日本のために戦うんだという気持ちが強いというのは日韓戦で感じた。(準備期間もあるので)モンゴル戦は日韓戦よりも、もっといい試合ができるんじゃないかなと思います。気持ちの部分の準備のところでは、このチームは絶対に間違えないと確信しています」と意気込みを語った。

 良い内容で韓国に勝った。だが、気を緩めることなくしっかり兜の緒を締めてモンゴル戦へ向かう。権田は国内組と海外組の力を結集し、3月シリーズ連勝を目指す。