FC東京の小川諒也が日本代表に選ばれた。24歳にして初選出だ。現在の代表は左サイドバックの絶対的な存在を探しているところ。左利きで攻撃力が自慢の小川が名乗りを上げる。選ばれた喜びと覚悟を、その目と言葉に力を込めて語った。

上写真=キレとパワーのある左足キックを武器に、小川諒也が日本代表で存在感を示す(写真◎Getty Images)

「できればもっと早く入りたかったので、安心した」

 FC東京の左サイドバック、小川諒也がうれしい初代表だ。3月18日に発表された日本代表のメンバーリストに、その名が記された。

 今回の日本代表は3月25日の韓国とのテストマッチ、30日のモンゴルとのワールドカップ2次予選兼アジアカップ予選に向けた選考。初選出は全部で8人いて、そのうちの1人になった。

 24歳でのメンバー入りには「早くもなく遅くもなく、若いときから選ばれている選手も多くてそこに入っていきたい思いがありました。24歳というタイミングで呼ばれたのは悪くはないですけど、できればもっと早く入りたかったので、安心した思いのほうが強いです」と、そんな本音も漏らす。

 FC東京の中でも中堅となり、意識の変化は顕著だ。自分のことだけではなくチーム全体に目を配ることができるようになり、翻って自分の成長に還元されている。

「チームの中でも年齢的にも引っ張っていかなければいけない存在になっていると思いますし、代表に選ばれたらなおさら目立つ存在にならなければいけないと思っています」

「試合中の冷静さや判断のスピード、ボールスピードは全体的に上がったかなと思っています。昔は勢いでやっている部分がありましたけど、考えてサッカーをするようになったかな」

 日本代表はいま、左サイドバックの競争が激しくなってきている。Jリーグ所属選手が選ばれなかった昨年10月と11月の活動では、長友佑都(マルセイユ=フランス)のほか、安西幸輝(ポルティモネンセ=ポルトガル)、中山雄太(ズヴォレ=オランダ)がプレーしてきて、逆に言えば絶対的存在を欠いている。そこに名乗りを上げていきたい。

「長友選手から定着した選手がいないと思うので、1回呼ばれるだけで満足せずに、これからも定着できる活躍をしたいと思います」

 森保一監督は4バックと3バックの併用を進めている。4バックのサイドバック、3バックのウイングバックと両方の適性があれば優位だ。

「森保さんのサッカーというか、代表チームには前線にタレント性のある選手が揃っているので、サイドバックがもっともっと攻撃に厚みをもたらしていければ得点も増えると思います。自分がそこに入ってしっかり厚みを出せればと思っています」

「ウイングバックだったらさらに高い位置を取れますし、チームでやっていたこともあるので、自分としてはやりやすいんです」

 現在のFC東京では4バックだが、攻撃に自らの強みを感じている小川がウイングバックに適性を認めて自信を持っていることは心強い。

 物怖じしないタイプだから新しいチームメートの中にすんなり入っていけそうだが、何よりも大事なのは結果。

「日韓戦にしろモンゴル戦にしろ、チームとして結果を求めていく試合になると思います。自分は攻撃の部分で少しでもアシストなりゴールなりの結果を出せるようにしていきたいと思います」

 だからこそ、覚悟を持って新しい場所に進んでいく。

「本当に驚きましたし、うれしい気持ちもありましたけど、ここからが勝負だなというか、引き締めていかないといけない気持ちになりました」