上写真=鈴木武蔵はビッグチャンスを迎えながら決めきれず悔やんだ(写真◎Getty Images)
■2020年11月17日(日本時間18日) 国際親善試合(リモートマッチ/@オーストリア:スタディオン・グラーツ・リーベナウ)
日本 0-2 メキシコ
得点:(メ)ラウル・ヒメネス、イルビング・ロサノ
「相手が一枚上手でした」
最高のハイライトが、わずか15分で巡ってきた。
中盤でメキシコの穴を突いて縦に速い攻撃を仕掛けた日本は、左に展開してから折り返しを鈴木武蔵がゴール中央で受けた。右足でトラップしてからシュートまで、流れるようなフィニッシュだったが、名手オチョアが残した右足に当たって弾かれた。
「ボールを置く位置も良くて、キーパーが先に倒れるのが見えたのでファー(向かって左)に流し込んだんですけど、よく足を残していたと思います。振り返ればもう少し浮かして打てばよかったと思います。結果論ですけど」
とても冷静に振り返った。
「シュートのところはいつも考えて打つようにしていますし、でも相手が一枚上手でした。僕自身、とても未熟でシュートコースが甘かったので、こういうところで決めきれなければと思っています」
鈴木は57分に南野拓実と交代してピッチを去ったが、その後、お手本を見せてやる、とばかりにメキシコは63分にヒメネスがペナルティーエリアに入ってきて、反転しながらGKシュミット・ダニエルの出鼻を突くようにゴール左の角度のないところからでもトゥーキックで先制ゴール。ワンチャンスで決めきることの重要さを見せつけられた。
「前半はメキシコもチャンスがなかったけれど、後半に一気に一つのチャンスで決めきってきて、(ヒメネスは)プレミアでやっているだけあります。勝負強いところは僕ももっと出さないと上のレベルでは戦っていけない」
そう悔やんだことが、このゲームの収穫だろうか。
28分には遠藤航からの縦パスを引き出してポストプレー、鎌田大地に落とし右の伊東純也に展開する間にゴール前に潜り込み、センタリングに対してニアに突っ込んだ。相手を引き連れて中のスペースを空けてチャンスを生み出した一連の動き。これもゴールにはならなかったが、長身と体のしなやかさを生かして相手を背負ってのプレーにも可能性を示した。
68分にもう1点を許して0-2で敗戦。
「前半の何本かあったチャンスを決めきれないと、強い相手にこういう試合になってしまう。フォワードとしての責任を感じています」
改めて痛感したFWとしての決定力と責任感の重要性を体に染み込ませて、11月シリーズは終わった。次は来年3月のワールドカップ2次予選。ベルギーに戻って、ゴールを決めきる力に磨きをかけていく。