日本代表対パナマ戦は控えとして過ごしたDF冨安健洋が、試合翌日にオンラインで取材に応じた。ヨーロッパでも評価を高めるCBが現在チームが取り組む3バックについて、自身が重視する考え方を明かし、メキシコ戦への意気込みを語った。

上写真=メキシコ戦に向けてトレーニングする冨安健洋(写真◎JFA)

板倉や植田からいい刺激を受けている

 パナマ戦を外から見ていた冨安の3バック評はこうだ。

「やっている選手たちも難しかったと思う。外から見ていただけじゃ簡単には言えないですけど、僕が見ていた感じでは攻守ともに後ろに重たくなってしまっていた。3バックをやる上で一番良くない状況というのが、後ろにあまりすぎることだと僕は思うので、その意味では、攻撃では3枚のうちの誰かが運んだり、ボランチに並ぶぐらいまで高いポジションを取って、ボールを動かすことができれば違った展開になったかなと思います」

 持つか、持たされるかの違いも往々にして、冨安が言及する局面に表れる。パナマ戦で最終ラインから持ち出す場面は少なった。もちろん、ボランチや2シャドーという受け手の側の問題もある。いずれにせよ、動き方とコンビネーションはもっと高める必要があるだろう。

 実際、パナマ戦の前半には両ウイングバックを最終ラインが吸収して5バック気味になるケースもあった。縦パスを入れられず、攻撃が滞り、後ろ向きのパスを送るシーンも目に付いた。結果、重心が下がり、攻めに転じる位置も低くなって、手に押し込まれる時間を生んでしまった。

 冨安自身は、10月シリーズのカメルーン戦の後半に3バックの左CBを務めている。前回はわずか5分程度、練習で合わせただけで実戦に臨むことになったが、今回の合宿では時間を割けたようだ。17日のメキシコ戦で実際に3バックを試すかどうかは分からないものの、冨安の中では必要な要素を整理できている。自らの価値を示す意欲も持つ。

「いまは試合に出させてもらっていますが、パナマ戦では滉くんも直くんもいいプレーをしていた。僕だけじゃなく、どの選手も絶対に出られる保証はない。そういう意味では練習からアピールしなければいけないし、所属チームでも出続けて自分の価値を高めなければいけないと思っています」

 冨安には、立場は安泰ではないという危機感がある。そして2年前に代表デビューした当時とは意識も変わった。「最初の頃はチームの結果よりどうやって自分を表現するかにフォーカスしていましたけど、いまはチームの結果を求めています」。

 17日のメキシコ戦はおそらく出番を得るだろう。所属クラブのボローニャで研さんを積み、そして代表でも確固たる地位をーー。冨安健洋のプレーに注目である。