上写真＝試合後のオンライン取材に対応した権田（写真◎スクリーンショット）
■2020年11月13日 国際親善試合（リモートマッチ／＠オーストリア：スタディオン・グラーツ・リーベナウ）
日本 1-0 パナマ
得点：（日）南野拓実
「みんなが体を張ってくれた結果」
先月行なわれたオランダ遠征のカメルーン戦に続き、今回のオーストリア遠征でも第1戦でゴールマウスを任された権田。前半終了間際の相手CKの場面で飛び出しに失敗し、あわや失点というピンチを招いたが、それ以外のシーンでは安定感のある守りでシャットアウトを達成した。
日本代表は10月のカメルーン戦、コートジボワール戦に続いて3試合連続で完封しているが、権田がゴールを守った試合に限れば7試合連続で無失点。元日本代表の楢﨑正剛氏の持つ日本代表の連続無失点記録に並んだ。
だが、当の本人は「僕からしたら、楢﨑さんに並んだと言われるのは楢﨑さんに失礼だと思っています」と至って謙虚。続けて、チームメイトに対する感謝の思いを語った。
「一人で7試合無失点というのは不可能なんです。毎試合、枠内シュートが15本くらい来て、毎試合PKがあって無失点だったら『どうだ俺の記録だ』となるかもしれないですけど、きょうの試合もピンチのところでみんなが体を張って防いでくれるシーンがたくさんありました。それがこの7試合の中でもたくさんあって、チームとしてみんなが体を張ってくれた結果なのかなと思います」
岡田武史監督時代の2010年1月に行なわれたアジアカップ予選・イエメン戦で、当時20歳でA代表デビューを飾ってから10年が経った。2012年のロンドン五輪では正GKとして4強入りに貢献し、将来が嘱望されたが、その後のキャリアは「順調じゃなかったのは間違いない」。2014年のブラジルW杯メンバーに招集されたものの川島永嗣、西川周作に次ぐ3番手で、2018年のロシアW杯はメンバー落ち。自身のキャリアを振り返り、盟友との差を痛感する。
「代表デビュー戦は（吉田）麻也と一緒なんです。彼のことは中学生のときから知っていて、同い年でずっと一緒にやってきた仲間だけど、その吉田選手はこの前の試合（2019年11月14日・キルギス戦）で100試合を達成して、僕はまだ18試合。皆さんがいろんな期待をしてくださった中で、それに応えられていないという申し訳なさや悔しさはあります」
だからこそカタールW杯に懸ける思いは人一倍強い。ワールドカップ2次予選ではここまで4試合すべてに出場し、森保ジャパンでは正GKと目されているが「この現状に満足しているわけではない」。目指すのはW杯のピッチに立つこと、そして勝つこと。
「2年後のワールドカップに向けてもっと成長しないと、ワールドカップで勝つことはできないと思っています。ワールドカップの大事なところで『権田は頼りになるよね』と言われる選手にならないと、代表で試合に出る意味はないと思うので。メンバーに入って喜ぶ年齢ではないですし、今までいろいろありましたけど、これから先も自分がベストだと思う道を進み続けて、日本代表に貢献できたらと思います」
17日のメキシコ戦にも出場すれば、8試合連続無失点の新記録樹立に期待が懸かる。だが「自分たちが成長していくことを大事にしている」と常々語る権田は、「出なかったとしても、失点したらチームとしての失点。チームということにこだわりたい」と、自身の記録よりもチームとしての“4試合連続無失点”をいまは目指している。