10月13日のコートジボワールとの親善試合で、日本は1-0で勝利。キャプテンのDF吉田麻也は試合後、DF植田直通の決勝ゴールの舞台裏や、2試合連続で無失点に抑えた守備の手応えなどを語った。

上写真=完封勝利を収め、吉田は決勝ゴールの植田とがっちり手を合わせた(写真◎Getty Images)

「非常に良い形で点が取れた」

 10月9日のカメルーン戦に続き、アフリカの難敵を無失点に抑えての1-0勝利。吉田は充実感を漂わせながら「アフリカ勢に対して、ここまで堅く守ることができたのは僕の記憶にない。2試合とも非常に良いコンディションの相手だったので、目に見える数字で結果を出せたことは自信につながる」とコメントした。

 後半アディショナルタイムの決勝点は、MF柴崎岳がファーサイドに送ったFKを、交代出場のDF植田直通がダイビングヘッドで合わせたもの。「2試合とも前日に少し練習しただけ」(吉田)というセットプレーの場面で、いつもターゲットになる吉田はニアサイドに走り込んでいたが、そこには直前の駆け引きがあったという。

「アフリカのチームにありがちなのが、ボールウォッチャーになってファーサイドが空くこと。タフな試合で残り時間が少なく、集中力を欠く可能性が高いかなと思った。正直、僕がファーに行きたかったんですけど(笑)、直通の方が可能性があると思ったので、僕がニアでおとりになって、トミ(DF冨安健洋)と直道にファーに入ってもらい、ガク(柴崎)にもファーに蹴ってくれと言いました」

 狙い通り、ファーサイドでフリーになっていた植田に、柴崎の正確なキックが届いての劇的ゴール。「直通はセットプレーの練習で、いつも僕がマッチアップさせられる。マークするのが大変な、手強い相手」と評した吉田は、「そのストロングポイントをチームとして生かせたことはよかったし、直通の日々のトレーニングの成果が出たと思う。しっかり良いボールを蹴ってくれて、決めてくれた。非常に良い形で点が取れたと思います」と満足げに振り返った。

 今年1月にサウサンプトン(イングランド)からサンプドリア(イタリア)に移籍後、初めての日本代表での活動に際し「この半年、新しいことにチャレンジして、また自分が成長するために試行錯誤している中で、代表に選んでもらって活動できる。ここで自分の存在価値を、あらためて証明しなければいけないと思っていた」と明かす。安定感抜群のCBコンビを組んだ冨安の存在も刺激になっており、「冨安も良いパフォーマンスをしているので、自分も負けないようにしなければいけないという危機感も、もちろん以前より強くなっている」と言葉に力を込めた。

 新型コロナウイルスの影響で長期間、日本代表の活動が止まったことで「あらためて自分の中で日本代表の存在や、日本代表に入る意味を考えさせられる時間がたくさんあって、またここで結果を出したい、日本のサッカーの新しい歴史を築きたいという高いモチベーションを抱くようになった」という。「そういう意味では不幸中の幸いというか、この期間があったからこそ、自分自身がハングリーになれたんじゃないか」と語る思いを、2試合180分間のプレーで表現した。

 会見の最後には、今回の活動実現に尽力した関係者への感謝を述べた上で、新型コロナウイルスの感染者を出さなかったことを「チーム全体でやり遂げた」と語った。一方で「(所属クラブに)帰ってテストしてポジティブ(陽性)になってしまうと、週末の試合やチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグなどに影響してしまう。次の検査まで全員がネガティブ(陰性)になることが、今回の日本代表の活動を全うすることになる」と指摘。「全員が気を抜かず、移動まで衛生管理を徹底してほしいし、僕自身もやらなければいけない」とキャプテンらしい言葉で締めくくった。