日本代表DF吉田麻也が、10月13日のコートジボワール戦を前にオンライン取材に応じた。0-0で引き分けた9日のカメルーン戦の課題や、約1年ぶりとなった代表活動の意義などについて語っている。

上写真=守備面で難しい局面もあったカメルーン戦を経て、難敵コートジボワールとの戦いに向けて準備を進める吉田(写真◎JFA)

「監督も同じ意見だった」

 4-2-3-1の布陣でスタートしたカメルーン戦は、前半はボールへのプレッシャーをうまくかけられず、苦しい展開を強いられた。吉田は「最初は良かったんですが、相手が徐々にかいくぐるようになってきた。ボランチが1人落ちて両サイドバックが高い位置を取り、(最終ラインが)3枚気味でビルドアップし始めたとき、逆サイドに持っていかれる回数が増えて、自分たちのスタミナだけ奪われる形になってしまった」と振り返り、試合翌日のリカバリーの際に選手の意見を集約して、森保一監督と話し合ったという。

 内容について吉田は「守備のはめ方やポジショニング、セットプレーも含めて、もっとこうできるんじゃないかと話して、監督も同じ意見だった」と明かした。具体的にはゴールキックやスローインの質について挙げ、「2試合目でトライしようと思っている」とコートジボワール戦への意気込みを語っている。
 
 後半開始から布陣を3-4-2-1に変えたことで、後半は守備のリズムが良くなったが、前半のうちにピッチ内で修正できなかった展開は、カタールに敗れた2019年アジアカップ決勝と同様という指摘もあった。吉田は「約1年間、一緒にやっていなくて、自分のチームのやり方が染みついている状況で、パッと来て短い時間で合わせるのは非常に難しい」と久しぶりの活動の影響を挙げつつも、「能力の高い選手だからこそ、代表に来ている。理想は高く持って、活動するときにできる限り、すり合わせなければいけないと思っている」とコメント。「(課題が)1試合目で出て、2試合目に修正にトライすることはポジティブ」と前向きに捉えた。

 そのコートジボワールはパトリス・ボーメル監督の就任2試合目で、吉田は「どんなチームでも監督が代わった後は、どの選手もモチベーション高く戦ってくる」と指摘。何より「アフリカ勢の中では、ヨーロッパでやっている選手が突出して多い」と、FWウィルフリード・ザハ(クリスタルパレス=イングランド)や二コラ・ペペ(アーセナル=イングランド)の名前を挙げ、相手を警戒した。

 だからこそ、現状の日本の力をぶつけるには最適の相手だと考えている。「カメルーン戦の前にも言いましたが、こういう相手とコンディションが良い状態でできることは、なかなかない絶好のチャンス。やりたいこと、やれること、いろいろトライしてぶつかっていきたい」と言葉に力を込めた。

 今回の代表合宿では食事の際に個々の席が離れているそうで、「全員とまんべんなくコミュニケーションを取るのは非常に難しい。練習の中で話せる機会も限られている」とコロナ禍の変化を明かした。それでも「久しぶりに集まって、個人的にも代表チームに対する思いは、非常に強くなった。長くいるからこそ忘れがちな部分を、あらためて思い出すことができた」と語り、「すごくフレッシュで、良い状態で臨むことができた」と総括した。集大成となるコートジボワール戦で、日本のキャプテンがどんな働きを見せるのか注目だ。