日本代表が、帰ってきた。オランダのユトレヒトで開催された10月9日の国際親善試合、カメルーンとの一戦で昨年11月以来のゲームが実現した。背番号10を託された南野拓実は攻撃で先頭に立ったが、ノーゴールに不満だった。

上写真=カメルーンにとって危険であり続けた南野。よりフィニッシュにかかりたかった(写真◎Getty Images)

強引にでもターンして前を向いて

 ポーカーフェイスのままだったのは、「久しぶりの代表戦で勝利で終わりたかった。0-0で満足していない」からだろう。

 背番号10を身に着けて、攻撃で日本の先頭に立った。19分に日本のファーストシュートを左足で放つと、22分には右からの酒井宏樹の折り返しに合わせてゴールに迫った。38分にはカウンターを発動し、中盤で受けてから素早く左サイドに送って大迫勇也を走らせた。

 前半は4-2-3-1のフォーメーションのトップ下。1トップの大迫、左右のMFの堂安律、原口元気と絡みながら攻めたかったが、全体的にカメルーンの強さと速さに後手を踏んでリズムを作りきれなかった。後半に3-4-2-1にシフトチェンジして堂安と並んでシャドーの左に立った。

「特別、こうしろという指示は個人的にはなかったですね。(4-2-3-1は)一番やっているシステムなので、チームの約束事を確認して入りました。」

「(3-4-2-1は)これまでもトレーニングしてきましたし、今回だけではなく以前もやったことがあるので、僕たちに必要なオプションではあるのかなと思いました」

 前半は苦しんだ。ピッチの上で改善しようと試みたが、すぐには修正が効かなかったという。

「相手の中盤のいい距離感に対して守備がはまらなかったのは一つの課題と思っていて、そこで例えば相手の3枚で回すところに対して、サコくん(大迫)が前に出て自分が引いて、律と(原口)元気くんが追ってプレッシャーに行くという形もいいかと思ったけれど、(自分たちで)素早くシステムを変えながら守備できるかは課題ですね。後半はシステムが変わったので、前半よりは対応できたと思います」

 71分に鎌田大地と交代して、この日はお役御免。やはり、ノーゴールに終わったことが悔やみきれない。

「自分はトップ下に入ったので、間で受けて強引にでもターンして前を向いて活性化させることは意識していました。前半はビルドアップできれいにゴールに向かうというよりは、奪ったあとに強引な形も必要だとは思っていました」

「今日のようにチームの形として攻撃できない場合は、個の力で打開してゴールに向かわなければいけなくて、そういう風に点を取る選手たちと普段やっているので必要だと思っています。そこは自分が伸ばしていかなければいけない部分です。今日のような相手に対して何か見せられればよかったですけど、チームとしても無得点で残念です。幸い、次もあるので、しっかりいい準備していきたいと思います」

 うまくいかなければ、個で相手の守備組織を壊す。所属するリバプールの世界一流の仲間たちは、そうやってゴールを強奪している。南野にもそれができるはずだ。13日のコートジボワール戦では「強引すぎるナンバー10」がもっと力強く、日本を牽引するだろう。