日本代表は10月9日にカメルーン、13日にコートジボワールと対戦するために招集されている。久々の代表の活動に大きな注目が集まるが、オンライン取材に対応した原口元気は好調を実感、新しいスタイルを身に着けつつあると話した。

上写真=久々の代表で笑顔。でも「楽しい、懐かしい、で終わらないように」(写真◎JFA)

「冷静にチョイスできるようになってきたんです」

 原口元気のこの代表活動におけるベーシックなテーマは、はっきりしている。

「久しぶりに会えましたね、楽しいですね、懐かしいですね、で終わらないように、2試合勝てるようにしたい」

 昨年11月以来の代表の招集は、コロナ禍においてようやく実現したことだとはいえ、その安堵だけで終わらせるのは意味がないと考えている。

「なかなか国際的なイベントができない中で、今回代表の試合をやらせてもらえるので、簡単に言うと元気が出る試合ができたらいいし、やらせてもらえるのだから素晴らしい試合にして、みんなが元気になってくれればいいと思います」

 人に元気を与えるには、自分たちがシビアに戦ってこそ。だから、楽しいだけで終わるのはまっぴらだ、というわけだ。

「代表は競争だと思っていますし、若いとか年上とか関係なく、いままでもずっと競争でした。1年ぶりに集まって仲良しこよし、ではないので、競争があるのは当たり前で、ポジションを奪うためにやっていきます。この1年ほど、代表での評価基準がなかったので、リスタートだと思って奪いにいこうと思っています」

 まさにプロフェッショリズム。そう言えるのは大きな自信があるからだ。一つはコンディション。所属するハノーファー(ドイツ)でトップ下や左サイドに入って好調を維持している。

「クラブでは監督も継続していて準備期間から自信を持って臨めていて、結果を残せています。攻撃的にも守備的にも多く関われるポジションでプレーさせてもらっているので、調子がいいとか感覚がいいというのは代表にも持ち込めると思っています」

 もう一つが、そのアタッカーとしての成長の実感だ。

「アタッカーとしてチームでも使ってもらっているので、この半年で伸びてきたと思います。もう一度、そこで勝負したいという気持ちが高まってきています」

「すごく伸びたと感じたのが、オフ・ザ・ボールのところ。オフでの動きやポジショニングが改善したと思います。それで、得点やアシストが急激に増えたので、日本代表でも久しぶりにプレーできると思うのでそういうところを表現できたらいいと思っています」

 スピード、ドリブル、あきらめないディフェンス。多くの人が描いてきたそんな「元気像」のいいところを残しながら、さらに殻を破りつつある実感に包まれている。

「得点への意欲はありますし、出していかなければいけないと思っていて、何でもかんでも走るとか、がむしゃらに狙いにいくというよりは、いいポジションを取るとかいいスペースに走り込むことが冷静にチョイスできるようになってきたんです。その改善した部分を代表でも表現できたらと思っています。意欲というより、冷静にゴールに近づけると思っています」

 今回のフレンドリーマッチでは、原口が何を考えながら、何をチョイスしてプレーしていくのか、非常に楽しみになってきた。