なでしこジャパン(日本女子代表)は26日、東京・国立競技場で韓国女子代表と対戦した。パリ五輪後、最初の試合となった一戦で4−0の快勝。前半の4分間で3ゴールを記録すると、後半にも1点を追加し、快勝した。

上写真=先制ゴールをスコアした北川ひかる(写真◎Getty Images)

■2024年10月26日 国際親善試合(観衆12,420人/@国立競技場)
日本女子 4−0 韓国女子
得点:(日)北川ひかる、藤野あおば、田中美南、谷川萌々子

途中出場の谷川が4点目をスコア

 パリ五輪でチームを率いた池田太監督が退任し、リスタートしたなでしこジャパンだが、新たな船出とは表現しづらい状況で試合を迎えた。というのも、指揮を執るのは12年ぶりの現場復帰となる佐々木則夫暫定監督で、新体制の舵取り役はまだ決定していないからだ。

 それでも佐々木監督は戦前、「次につながる」試合にしたいと話し、「アグレッシブ」をキーワードに戦うことを表明していた。

 実際、選手も前からの「攻撃的な」守備をコンセプトに戦うと明言。ボランチの長野風花は「相手の出方次第ですけど、積極的に前からボールを取りに行きたい」と話した。

 果たして日本は4−4−2で試合をスタートさせる。前からプレッシングをかけたいところだったが、序盤はうまくはまらず、逆に韓国のアグレッシブな守備に押される場面も見られた。

 それほどプレッシャーがかかっていないにもかかわらずボールを下げるシーンも散見。やや消極的な姿勢が日本のリズムを悪くしていたが、シン・サンウ監督就任間もない韓国もフィニッシュにかかる場面で精度を欠き、前半30分過ぎまでは攻守が入れ替わる展開が続く。

 31分、左からの崩しがいったん停滞するが、粘って右へ展開。長谷川のパスをボックス内で受けた清家が狙ったがシュートは右ポストを叩いた。その直後の右CKの場面。長谷川のボールに合わせてニアに飛び込んだ北川が頭を合わせてネットを揺らす。日本が先制に成功した。

 スコアを動かしたことで堅さが取れたか、日本をそこから狙っていた「積極的な姿勢」をピッチで表現し始める。34分、左サイドの高い位置で北川がプレッシャーをかけてボールを奪うと、ボックス左で田中が絡み、最後は藤野が蹴り込み、追加点を奪った。

 さらに、である。37分にもネットを揺らす。前線から下がって藤野が関わり、長谷川が中央にパスを通す。相手にカットされるが、そのこぼれを田中が素早く拾って中央を突破。最後はGKとの1対1を制してチームの3点目をスコアした。

 4分間で3度ネットを揺らし、3−0で前半を終えた日本は、後半のスタートから3枚替えを実施。植木、浜野、谷川を投入した。4点目はその谷川が、刻む。自身が右サイドで攻撃に絡み、ボックス内に攻め上がると、守屋のグラウンダーのクロスを右足でとらえ、ゴール右下を射抜いた。

 その後、日本はボールを握り、優勢のまま試合を進めていった。追加点こそ奪えなかったものの、内容面で相手を圧倒。4−0で試合を締めくくり、パリ五輪後、最初の試合をきっちり白星で飾った。

▼出場メンバー
・日本女子◎GK山下杏也加、DF守屋都弥(79分:遠藤優)、南萌華、熊谷紗希、北川ひかる、MF清家貴子(59分:千葉玲海菜)、長谷川唯(68分:塩越柚歩)、長野風花(46分:谷川萌々子)、中嶋淑乃(46分:浜野まいか)、FW藤野あおば、田中美南(46分:植木理子)