なでしこジャパン(日本女子代表)は5日、FIFA女子ワールドカップのラウンド16に臨み、ノルウェーに3−1で勝利を飾った。相手に守られる展開もゴールをこじ開け、追いつかれても突き放す地力を示す。守備ではロングボールにも冷静に対応。攻守両面で充実の内容を見せ、ベスト8進出を決めた。

上写真=決勝点をスコアした清水梨紗(写真◎Getty Images)

■2023年8月5日 女子W杯ラウンド16(@ウェリントン)
日本女子 3−1 ノルウェー女子
得点:(日)OG、清水梨紗、宮澤ひなた
   (ノ)グーロ・レイテン

ロングボールにも冷静に対応

 守備から入ったノルウェーを押し込み、相手を動かして日本が先制に成功した。カウンターを警戒し、前進せずに重心を下げ、自陣にブロックを組む相手に対して積極的に左サイドへボールを動かして早いタイミングでクロスを入れる攻撃を展開。すると15分、宮澤が放った鋭いクロスが相手のクリアミスを誘い、ゴールイン。オウンゴールで日本が先制した。

 ボールを持たされて攻めあぐね、逆にカウンターを受けるような展開にはさせなかった。開始早々の得点で相手が攻めに出ざるを得ない状況を整えたのだ。ただ、今度は前に出たノルウェーの強みを体感することになった。

 20分、左サイド深くまでヴィルデ・ボー・リサに進入され、フリーでクロスを上げられた。ゴール前に日本の守備陣はそろっていたが、 グーロ・レイテンに頭で触られ、シュートを決められてしまった。GK山下は必死の手を伸ばしたが、ボールの飛んだコースがよく、触れることはできなかった。

 ゴール直後の失点。しかも今大会初失点。日本にとって嫌な展開ではあったが、そのままペースを乱すことはなかった。そこが今回のチームの一つの強みかもしれない。流れが自分たちにない時にも慌てることなく我慢し、流れを引き戻す力だ。組織立った守備とテンポの良いパス回しでノルウェーに勢いを出させず、ボールロスト後の素早い切り替えと厳しい球際を継続すると、相手に攻めの形を作らせなかった。

 日本が再びリードを奪ったのは、後半開始早々の50分のことだ。左サイドにボールを展開すると、遠藤からバイタルエリアに入り込んだ宮澤へとつながり、ボックス内に走り込む長谷川にパス。長谷川は相手を背負いながら後方に落としたが、そのボールはノルウェーのMFリサに渡ってしまった。だが、ボックス内でリサからトゥバ・ハンセンへのパスを清水が走り込んでカット。そのままシュートにつなげ、ネットを揺らした。焦れずに集中し、日本ペースの戦いを続けた結果、生まれたゴールだろう。

 1点を追うノルウェーは74分に長身のアーダ・ヘーゲルベルグを投入し、ロングボールを前線に放り込むパワープレーを仕掛けてきたが、日本はCB熊谷を中心に集中した守りで跳ね返していった。そして81分、スペイン戦同様に鋭いカウンターを実践してみせる。自陣右サイドでパスを受けた藤野がボールを運び、ハーフウェーライン付近からスルーパスを供給。オフサイドを気にしながら抜群のタイミングで抜け出した宮澤が相手GKの位置を見ながら冷静にシュートを決め、2点にリードを広げた。宮澤にとっては今大会5点目となるゴールは、まさにダメを押す得点になった。

 相手が警戒していたカウンターを最後に鮮やかに決めた日本は、アディショナルタイムのGK山下のビッグセーブもあり、そのまま試合をクローズさせて3−1で勝利。見事な戦いぶりでベスト8進出を果たした。

 次戦の準々決勝は11日。明日6日に行われるスウェーデン対アメリカの勝者と対戦する。

▼出場メンバー
・日本◎GK山下杏也加、DF高橋はな、熊谷紗希、南萌華、MF清水梨紗、長谷川唯、長野風花、遠藤純、藤野あおば、宮澤ひなた、FW田中美南(72分:植木理子)