2011年の女子ワールドカップ(W杯)で世界一に輝いた、なでしこジャパンの軌跡を追った週刊サッカーマガジンの連載「日々野真理のなでしこ観察日記」が、2019年大会に続いて再び復活! シーズン3として今大会期間中、サッカーマガジンWebで連載コラムを掲載します。6大会連続で女子W杯中継のインタビュアーを務める筆者が知る、なでしこの素顔とは? 第3回は、ピッチ外も充実しているチームの様子をお届けします。

ピッチ内外で響く熊谷選手の声

 8月1日、誰もが「ホームのよう」と語るほど居心地の良いベースキャンプ地・クライストチャーチに戻ったチーム。ようやく選手たちに1日のオフが与えられました。散歩したり、カフェに行ったり、思い思いにリラックスして過ごしたとか。
 
 夜は全員で外食だったそうです。これについて「何より、シェフの2人がお休みできてよかった」と選手たち。前回の連載でキムチ鍋のことをお伝えしましたが、宿泊先でホームの雰囲気を作り出してくれている西芳照シェフ、中原剛シェフも、ようやく一息つけた夜となりました。
 
 ちなみに、西シェフと中原シェフが用意した、ある日の夕食のメニューは…。

・サラダ
・豚じゃが
・鶏ももブロッコリー塩だれ焼き
・サーモンオーブン焼きポン酢
・いわしとレーズン出し巻き
・切り干し大根
・なすとチンゲン菜みそ炒め
・蒸し野菜
・十六穀米炊き込みご飯
・白米
・パスタ①(ムール貝のペペロンチーノ)
・パスタ②(ニョッキトマトソース・グルテンフリー)
・みそ汁
・人参とコリアンダースープ
・フルーツ
・ヨーグルト

 写真アルバムに載っているようなメニューが並び、みんな「どれもおいしいです!」と口をそろえます。ああ、私も食べてみたい…(心の声)。 

チームに帯同している西シェフ(右)と中原シェフ。日々たくさんのメニューを提供して選手たちを支えている(写真◎JFA)

 8月2日、ノルウェーとの決勝トーナメント1回戦に向けた準備が始まりました。練習後のミックスゾーンでは、キャプテンのDF熊谷紗希選手の頼もしい言葉が響きます。

「いままでの戦いは、ここから先は関係ない。もう一度、気持ちを引き締めます。それを分かっていない選手はいないし、引き続き、全員ワンチームで戦っていきます」

 彼女の豊富な経験、コミュニケーション能力の高さ、常に目の前の戦いに集中する姿勢。いつも刺激を受けているのですが、今大会は、さらに頼もしさが増しています。
 
 ちなみに、声の大きさも熊谷選手の持ち味。試合中に声を響かせるのは当然として、試合後の取材エリアでも、隣で話している選手の声が聞こえないくらい大きい声で話すことがあります(笑)。歓声の中でも響く声は、大きな武器ですね。
 
 さあ、いよいよ決勝トーナメント! 会場は再びウェリントンです。ノルウェーとの一戦は8月5日16時50分からNHK総合で放送されます。皆さん、なでしこジャパンに熱いエールを! 頂点を目指しましょう!