上写真＝２ゴールを決めた宮澤ひなたを祝福するチームメイト。右は２点目を決めた植木理子（写真◎Getty Images）
■2023年７月31日 女子W杯GS第3節（@ウエストパック）
日本女子 ４−０ スペイン女子
得点：（日）宮澤ひなた２、植木理子、田中美南
ラウンド16はノルウェーと対戦
２連勝を飾り、すでにラウンド16進出を決めている日本が、グループステージ第３戦に臨んだ。相手はスペイン。FIFAランキングは日本が11位であるのに対し、スペインは６位。すなわち格上との対戦となったが、前半から日本は狙い通りに試合を進めていった。
前半からボールを握られても、ハードワークと粘り強い守備で要所を締めて決定機を作らせない。自陣でのプレー時間は長くなったものの、集中力を欠くことなく要所を締めて無失点を続けた。前節から先発を５人変えているが、ある程度、相手にボールを握らせ、奪取後に鋭いカウンターを仕掛ける戦い方をチームとして徹底していた。
先制点は12分。左アウトサイドの遠藤がスペインの高い最終ラインの裏へ早いタイミングでクロスを供給すると、１トップの植木と右シャドーの宮澤が走り込み、最後は宮澤がGKの位置を見極めて蹴り込んだ。日本にとっては最初のチャンスをモノにした形。まさに狙い通りのゴールだった。
追加点は29分。見事なカウンターを決める。相手に押し込まれる状況の中、最終ラインのクリアを植木が落とし、長野が駆け上がる宮澤にパスをつなぐ。宮澤がドリブルで中央を進むと、並走する植木へとパスに送り、ボックス内で右足を一閃。シュートは相手DFに当たり、そのままゴールへと吸い込まれた。
２点をリードされたスペインは当然、攻撃に重心を傾けたが、日本はペースを乱すことなく粘り強い守備を続けていく。すると前半終了間際にも追加点をつかむ。40分、再びカウンターからネットを揺らしてみせた。
左サイドで連動したプレスをかけ、ピッチ中央でパスカットに成功。植木が中央をドリブルで進み、その右側を駆け上がってきた宮澤へパス。先制ゴールをスコアしてチームを乗せた背番号７は、ボックス右に進入すると、迷うこなく右足を振り抜き、自身、この日２点目となるゴールを決め切った。
前半で３−０とした日本は後半も相手にボールを握られたが、組織立った守備は崩れず、82分には右サイドを独力で突破した田中がカットインから左足でシュートを放ち、４点目を記録。スペインの心を折る得点で勝利を決定づけた。
結局、日本はスペインに反撃を許さず、４−０で完勝。ハードワークと組織力をベースとした守りでスペインのパスワークと攻撃をほぼ完璧に封じ込め、勝利を飾った。池田太監督も「積み上げてきたものを出せた。自信になる」とチームの戦いぶりを評価。一方で「決勝トーナメントは別の戦いになる」とも語り、気を引き締めることを忘れなかった。
グループＣを１位で突破した日本は、ラウンド16でグループＡの2位ノルウェーと対戦する（5日・17時）。ノルウェーのFIFAランキングは12位。つまり日本の一つ下。実力伯仲の相手と、ベスト８進出をかけて戦うことになる。
▼出場メンバー
・日本◎GK山下杏也加、DF高橋はな、熊谷紗希、南萌華、MF清水梨紗（59分:守屋都弥）、林穂之香、長野風花（59分:長谷川唯）、遠藤純（85分:杉田妃和）、宮澤ひなた（46分:藤野あおば）、猶本光、FW植木理子（68分:田中美南）